- #お肌の知識
「寝不足が続いて、なんだか肌の調子が良くない…」
このように感じたことがある人も多いのではないでしょうか?
この記事では、睡眠と肌の状態にはどんな関係があるのかを、詳しく解説します。
美しい肌と睡眠は、切っても切り離せない関係。肌にいい睡眠の取り方も解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
睡眠と肌には、一体どんな関係があるのでしょうか?
ここでは、肌を美しく保つためには、なぜ睡眠が必要なのかを解説します。
私たちの肌は寝ている間に、古い細胞から新しい細胞へと生まれ変わっており、この肌の生まれ変わりのサイクルのことをターンオーバーといいます。
睡眠不足などでターンオーバーが乱れると、下記のような肌トラブルに繋がることも。
正常なターンオーバーを保つことは、美しい肌作りのためには不可欠なのです。
質の高い睡眠を取ると、肌のターンオーバーを促す「成長ホルモン」が分泌されます。
成長ホルモンはそのほとんどが寝ている間に分泌されるため、十分な睡眠は肌の回復に効果的といえるでしょう。
成長ホルモンとは、脳下垂体という部位から分泌され、体の成長や代謝に関わる働きするホルモンのこと。
成長ホルモンは、骨や筋肉などの発達を促すため、子供にとっては大切な役割をしています。
しかし、成長ホルモンが必要なのは子供だけではありません。
成長ホルモンには体の発達だけでなく、代謝を促進させたり、肌のダメージを回復させたりする効果もあります。
そのため、大人の美容や健康にとっても、とても大切な役割を果たしているのです。
成長ホルモンの分泌に影響があるものとして、主に下記の三つがあります。
睡眠には浅い睡眠と、深い睡眠があります。
浅い睡眠を「レム睡眠」、深い睡眠を「ノンレム睡眠」といい、睡眠中はこの二つを繰り返しています。
成長ホルモンの分泌は深い睡眠、すなわちノンレム睡眠の時に多く促されます。
運動をすると、筋肉の疲労を軽減させるために「乳酸」が作られます。
この乳酸が脳下垂体を刺激し、成長ホルモンの分泌を促します。
空腹を感じると「グレリン」というホルモンが分泌されます。
このグレリンが脳下垂体を刺激し、成長ホルモンの分泌を促します。
この三つの中でも特に、成長ホルモンは睡眠中の分泌が多いとされています。 寝不足が肌荒れに繋がるのは、成長ホルモンの分泌低下が大きく関わっているのですね。
成長ホルモンの分泌が低下すると、肌の状態に影響を与えることを解説しました。
しかし、寝不足から起こる肌荒れの原因は、それだけではありません。ここでは、寝不足が引き起こす、肌荒れの原因を見てみましょう。
寝不足で十分な睡眠がとれないと、成長ホルモンの分泌が低下することで、肌のターンオーバーが乱れます。
ターンオーバーが乱れると、皮膚の生まれ変わりが滞って角質が厚くなる原因に。
この状態では乾燥やくすみ、毛穴詰まりやニキビなどの肌トラブルに繋がってしまうのです。
成長ホルモンの分泌が低下すると「線維芽細胞」の働きが弱まります。
線維芽細胞とは、肌の中に存在する細胞の一つ。
コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸といった、肌を美しく保つための要素を生み出しています。
そのため寝不足の肌は、ハリやうるおいが不足したり、ゴワゴワしたりするのです。
寝不足は「自律神経」の乱れに繋がります。
自律神経とは、体の機能を調整する仕組みのこと。いわば、体のオン・オフを切り替える働きです。
「オン」の状態を司る交感神経と、「オフ」の状態を司る副交感神経から成り立っています。
睡眠不足の状態が続くと「オン」の状態が優位になり、血管が収縮します。その結果、血流が滞る原因に。
血流が滞ると、肌に必要な酸素や栄養素が届かなくなり、乾燥やくすみなどの肌トラブルに繋がってしまうのです。
「オン」の状態では、体は興奮状態にあります。 そのまま就寝すると、リラックスできずに睡眠の質も低下してしまいます。
自律神経の乱れは、ストレスホルモンの増加にも影響を与えます。
寝不足から交感神経が優位になると、ストレスホルモンである「コルチゾール」が分泌されやすくなるのです。
コルチゾールが過剰に働くと、皮脂の分泌が促されるため、毛穴詰まりやニキビなどの肌トラブルを引き起こします。
寝不足は「メラトニン」の分泌にも影響を与えます。
メラトニンとは、体内時計や睡眠リズムを調整するためのホルモンで「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。ぐっすり眠るには欠かせないホルモンです。
また、メラトニンは高い抗酸化作用も持っており、肌のアンチエイジングにも深く関わっています。
このメラトニンの分泌が減少することで、睡眠の質が低下するだけでなく、肌の老化にも繋がってしまうのです。
ここまで、睡眠と肌は深い関係があり、寝不足は肌荒れを引き起こすことを解説しました。
7~8時間が適正睡眠時間ですが、では、肌のためには、一体どのような睡眠をとれば良いのでしょうか?具体的に見ていきましょう。
「肌のゴールデンタイム」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
肌ダメージを回復させる成長ホルモンが、一日のうちで最も盛んに分泌される時間帯のことをいいます。
昔から、夜22時~深夜2時の間がこのゴールデンタイムであると考えられてきました。
この時間帯にぐっすりと深く眠ることが、肌のターンオーバーを促すために理想的だとされていたのです。
ところが最近では、別の説が有力になってきました。
成長ホルモンが分泌されやすいのは特定の時間帯ではなく、入眠してからの最初の3時間ほどであることがわかってきたのです。
私たちは浅い眠りのレム睡眠と、深い眠りのノンレム睡眠を繰り返し徐々に目覚めていきますが、成長ホルモンの分泌はノンレム睡眠の時に多く促されます。
入眠後の3時間ほどは、最も深いノンレム睡眠がまとまって現れる時間帯で、現在ではこの3時間を「肌のゴールデンタイム」と呼んでいます。
入眠後の3時間に、いかにぐっすりと眠れるかが、大切なポイントです。
では、質の良い睡眠を取るにはどうすればいいのでしょうか?
「睡眠時間をたっぷり取っているのに、肌荒れが改善しない…」という人は、睡眠の質に問題があるのかもしれません。
ここでは、質の良い睡眠を取るためのポイントを解説します。
朝目覚めたら、まずはカーテンを開けて日の光を浴びましょう。
体内時計が整い、夜になると、睡眠ホルモンであるメラトニンが分泌されやすい状態になります。
スマホやパソコンから発せられるブルーライトは、メラトニンの分泌を妨げてしまいます。
寝つきにくくなる場合もあるため、就寝前には使用を控えることが望ましいでしょう。
入浴は就寝前ではなく、1時間半~2時間前に済ましておくのがおすすめ。
入浴で体を温め、その後体温が下がっていく時に眠気が起きるといわれています。
熱いお湯は交感神経を活発にするので、ぬるめのお湯にじっくり浸かってリラックスを。
食後、食べた物を消化しようと胃腸が働いた状態で眠るのは、睡眠の質が下がります。
夕食は就寝時間の3時間前までに済ませましょう。
カフェインの入った飲み物は、交感神経を活発にします。
夜遅い時間に飲むと眠りを妨げてしまうので、控えるのが望ましいでしょう。
ストレスなどで心身が興奮状態にあると、交感神経が優位になり、寝付きにくくなることがあります。
音楽やアロマの香りなど、リラックスできる雰囲気を作ることで、交感神経を落ち着かせましょう。
生活の中に、軽い運動を取り入れてみるのもおすすめです。
適度な疲労が、夜の寝つきやすさに繋がります。
この記事では、睡眠と肌の関係について解説しました。
寝不足・睡眠不足は、ターンオーバーの乱れなどから肌荒れに繋がります。
質の良い睡眠を心がけることで、美しい肌を保ちましょう!
ぐっすり眠ることが美肌につながるのですね。解説した「質の良い睡眠を取る方法」を参考に、まずは取り入れやすいものから試してみてくださいね!