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「肌に触れると硬い感じがする…」「化粧水のなじみが良くない…」など、肌のゴワつきで お悩みではありませんか?
肌のゴワつきは適切に対処すれば、柔らかい肌へと改善することも可能です。 今回は肌のゴワつきの原因と、柔らかい肌へと導く方法を解説します。
肌のゴワつきとは、皮膚が厚くなって弾力やなめらかさが欠けている状態のこと。
手で触れた時にゴワゴワと荒く感じます。
乾燥して硬くなった、かかとの皮膚をイメージするとわかりやすいのではないでしょうか。
まずはゴワつきが気になる肌に起こりがちな状態をチェックしてみましょう。
ゴワつきが気になる肌は次のような特徴を持つことがあります。
当てはまる項目が多い場合は肌がゴワついている状態かもしれません。
肌のゴワつきを放置していると、別の肌トラブルを引き起こしてしまうことも。 適切に対処するためにも、まずはゴワつきの原因を解説します。
肌のゴワつきの原因は「角質肥厚」です。
角質肥厚とは本来はがれ落ちるはずの角質が皮膚に残って蓄積してしまい、皮膚表面にある角質層が厚くなる状態を指します。
角質肥厚が起こる原因は様々ですが、共通しているのは皮膚の「ターンオーバー」の乱れから引き起こされているという事。
ターンオーバーとは、新陳代謝によって行われる皮膚の生まれ変わりのサイクルのことをいいます。
通常、角質層は基底層という表皮の最下層で生まれ、成長と共に姿を変えながら上層へと押し上げられていきます。
古い細胞は角質層となって皮膚を守り、最終的には垢となって剥がれ落ちます。
そうすることで、皮膚は正常な厚さを保ちながら新陳代謝を行っています。
何らかの原因でターンオーバーが順調に行われなくなると、古い角質が蓄積して角質肥厚が引き起こされます。
ターンオーバーの周期は健康な皮膚で28日間といわれています。 このサイクルは体の部位や年齢などによって個人差があります。
ターンオーバーの周期が遅くなると皮膚の生まれ変わりが滞って角質が厚くなります。
いわば皮膚の表面に垢が溜まっている状態です。
この状態では乾燥やくすみ、毛穴詰まりやニキビなどの肌トラブルを招く原因となります。
しかしターンオーバーは早ければ良いというわけでもありません。
皮膚は外部環境からの刺激や紫外線などのダメージから身を守る「バリア機能」を持っています。
ターンオーバーが早すぎると新しい細胞が未熟な状態で表面に現れるため、バリア機能が低下し皮膚が外部刺激に弱くなる可能性があります。
ターンオーバーは早すぎず遅すぎず、適切なペースで行われることが望ましいでしょう。
肌のゴワつきに繋がるターンオーバーの乱れ。
原因は様々ですが、ここでは大きく五つに分けて解説します。
年齢を重ねるにつれて「傷跡が消えるまでに時間がかかるようになった」と感じたことはありませんか?
これは加齢によって皮膚のターンオーバーが遅くなっていることが原因です。
一般的には皮膚のターンオーバーは20代で28日といわれていますが、30~40代だと45日ほどの日数が必要になります。
加齢とともに全身の新陳代謝が低下するとともに、皮膚のターンオーバーも長くなる傾向があります。
ターンオーバーが遅くなると、古い角質が皮膚の表面に蓄積して肌がゴワつく原因になります。
皮膚のターンオーバーを遅らせる原因は加齢だけではありません。ターンオーバーの遅れは年齢にかかわらず、10代や20代の人にも起こります。
例えば、以下のような習慣に心当たりがある人は注意が必要です。
これらの生活習慣は新陳代謝を低下させ、肌のターンオーバーを遅らせる可能性があります。
皮膚の乾燥がターンオーバーを早める原因になることがあります。
皮膚の水分量や皮脂量が少なくなると、皮膚のバリア機能が低下して外部刺激を受けやすくなります。
ダメージを受けた皮膚はターンオーバーのサイクルを早め、細胞を作り出すことで皮膚を守ろうとします。
表面の不要な角質がはがれ落ちる前に、下から未熟な状態の細胞が生まれてくるため、角質肥厚が起こり肌のゴワつきに繋がります。
紫外線を浴びたことによる日焼けも、皮膚のターンオーバーを早める原因の一つといわれています。
紫外線のダメージを受けた皮膚はターンオーバーのサイクルを早め、細胞を作り出すことで皮膚を守ろうとします。
未熟な状態で表面に押し上げられた細胞は、乾燥しやすく形も不規則なため、柔らかさを失ったゴワつきの気になる肌になってしまいます。
物理的な摩擦も皮膚のターンオーバーを早める原因の一つといわれています。
スキンケアやメイクをする時につい力が入り過ぎたり、タオルでゴシゴシと擦ったりしていませんか?
こういった摩擦によるダメージを受けると、皮膚は自らを守るためにターンオーバーを早めて角質を厚くします。
洗顔料の泡立てが不十分な人や、顔をさわる癖がある人は、それらの習慣が肌のゴワつきの原因になっているかもしれません。
肌のゴワつきを改善するには、皮膚のターンオーバーを整えることが重要と解説しました。
ここでは柔らかい肌へと導く実際のケアを見てみましょう。
皮膚のゴワつきを改善するために、角質ケアを取り入れましょう。
クレンジングや洗顔で、メイクや皮脂汚れなどと一緒に古い角質を取り除くことで、滞った肌のターンオーバーを促進する効果が期待できます。
ただし、しっかり落とそうと洗浄力の強すぎる洗浄剤を使ったり、ゴシゴシ擦ったりしては皮膚の乾燥や角質肥厚を招いてしまうことに。
後で紹介する「角質剥離成分」を取り入れて、不要な角質は穏やかに取り去るのが良いでしょう。
古い角質を取り除くことで、次に使う化粧品のなじみも良くなります。
角質ケアの後は皮膚がいつもより敏感な状態です。十分な保湿で乾燥を防ぎましょう。
適切な保湿は皮膚を柔軟にしてゴワつきの改善になるだけでなく、ターンオーバーを整える働きもあります。
肌に合った保湿剤を使って乾燥を防ぎ、角質層を健康的に保つことが大切です。
皮膚の水分を保つためには、使用する保湿剤にしっかりと水分を繋ぎとめてくれる保湿成分が入っているかを確認しましょう。
保湿成分の中でも特におすすめなのが「セラミド」です。
セラミドは元々皮膚の角層内に存在しており、水分が蒸発して乾燥するのを防いで肌のバリア機能の働きをする重要な成分です。
セラミドを補うことで皮膚のバリア機能の改善に効果が期待できます。
後で解説するおすすめの保湿成分も参考にしてみてください。
紫外線のダメージによる肌のゴワつきを防ぐには、日焼け止めの使用が効果的です。
ただし紫外線防止効果の高い日焼け止めは、肌の負担になることもあります。
以下を参考に日常使いやレジャーなど生活シーンによって使い分けるのが良いでしょう。
散歩などのちょっとした外出や室内で過ごす時
屋外での活動や軽いスポーツをする時
マリンスポーツや炎天下での外出をする時
肌が敏感な人には、比較的低刺激で肌への負担が少ない「紫外線散乱剤」がおすすめです。
「酸化チタン」や「酸化亜鉛」といった紫外線散乱剤が主成分の日焼け止めを選びましょう。
紫外線は季節や天候に関わらず、一年中降り注いでいるものです。
ゴワつきを防ぎ、柔らかい肌を保つためにも紫外線対策は怠らないようにしましょう。
日焼け止めは塗る量が少ないと十分な効果が得られません。 パッケージに記載してある使用量の目安や、塗り直しの時間を守って使いましょう。
ゴワつきが気になる肌を柔らかくするために「油脂」を使ったケアを取り入れてみましょう。
油脂とは動植物から得られる油性成分のこと。人間の皮脂にも多く含まれているため、角質への柔軟効果が高いことが特徴です。
皮膚表面のなめらかさや柔軟性が上がるだけでなく、油脂には保湿効果もあります。
皮膚の水分を保持することで乾燥を防ぎ、バリア機能の改善にも役立ちます。
注意点としては、油脂の中には酸化しやすいものも多いこと。また過剰に使用すると肌のベタつきやニキビの原因になることもあるので、適量を守って使用しましょう。
後で解説するおすすめ成分も参考にしてみてください。
せっかくのケアも摩擦になってしまっては逆効果です。
スキンケアなどで肌に触れる時はやさしく、豆腐が崩れないほどの力加減をイメージしてみてくださいね。
化粧品でもゴワつきの対策をしましょう。
ここではゴワつきを改善して皮膚を柔らかくするのに効果的な成分を解説します。
「角質剥離成分」は、本来はがれ落ちるはずの不要な角質の除去を促進する効果があります。
本来の健康な厚さになると皮膚が柔らかくなります。
角層を除去する行為はリスクも伴うため、やり過ぎには注意が必要です。
保湿成分は皮膚の水分量を上げることで柔軟性を保ち、ゴワつきを防いでくれます。
油性成分の中でも油脂は角質層の柔軟効果が高く、柔らかい肌作りに効果的です。
肌を柔軟に保つことを「エモリエント効果」といい、化粧品(特にクリーム)の重要な役割です。エモリエント効果は基本的にオイル(油脂)が担います。
油脂の仲間ではありませんが角質柔軟効果のある油性成分として「スクワラン」や「ホホバ種子油」もおすすめです。
油脂ほどの柔軟効果は期待できませんが、油脂よりも酸化しにくいという利点があります。
肌のゴワつきの原因は様々ですが、適切なケアにより改善が可能です。
今回解説した方法を試して柔らかくなめらかな肌を手に入れましょう。
すぐには変化が現れないこともあるかもしれませんが、皮膚のターンオーバーの周期からみてもまずは一ケ月、継続してみることをおすすめします。
肌のゴワつきでお悩みの方は、ぜひチャレンジしてみてくださいね!