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肌の状態を大きく左右するのが肌質。ご自身の肌質を知ることが、美しくすこやかな美肌への第一歩です。
そんな肌質の1つに「インナードライ肌」というものがあります。
今回の記事では、インナードライ肌の特徴や見分け方、スキンケア改善方法を紹介します。
実は、多くの人がインナードライ肌であると言われています。
「もしかしたら自分もインナードライ肌かも」と少しでも感じた方は、肌を変えるきっかけになるかも知れません。
白クマ博士とネコ助手がわかりやすく解説します。
インナードライ肌とは、「水分量が少なく、皮脂量が多い肌質」。
つまり、角層内部は乾燥しているのに表面は脂っぽいという、相反する状態を抱える肌質です。
表面が脂っぽいから、一見うるおっているように見えるのですが、角層内部は乾燥しているという意味で「インナードライ肌」と呼ばれています。
乾燥と脂っぽさが共存するため「混合肌」とも呼ばれます。
そもそも肌質は「水分量」「脂分量」によって次の4つに分類されます。
インナードライ肌はこの中の肌質の一種です。
インナードライ肌をもう少し細分化すると
という2タイプが存在します。
多くの人は②のタイプです。
①のように顔全体的にどこも同じ肌質、ということはあまりなく、乾燥しがちな部位、脂っぽい部位が混在するためです。
特殊な肌質にも聞こえますが、実は多くの人がインナードライ肌に当たります。 特に、20代後半から30代の人に多い肌質です。
その理由は、年齢による水分量と皮脂量の変化過程で、肌のモイスチャーバランスが乱れるから。
年齢による変化をたどると、まず10代は水分も皮脂も多い脂性肌の人が多いです。その後、年齢を重ねると水分量と皮脂量がだんだん減っていきます。
水分量と皮脂量の減り方は人それぞれ異なり、その変化の過程で、「水分が少なく、皮脂が多い」というアンバランスな状態になる場合があります。
このような状態の人はインナードライ肌に当たります。
20代後半から30代は変化の途中のためモイスチャーバランスが崩れやすく、インナードライ肌の人が多いのです。
インナードライ肌は相反する性質が共存する、やや難しい肌質です。具体的にどのような特徴があるのかについて詳しく解説します。
どんな肌質の人でも、顔の部位ごとに少しずつ性質が異なるのですが、インナードライ肌の人は部位ごとの差がより大きいのが特徴です。
目元や口元などは水分も皮脂も少なく特に乾燥しやすいです。これらの部位は肌表面を覆う膜である角層が薄く、保持できる水分が少ないという性質があります。
さらに、皮脂を分泌する組織である皮脂腺も少ないです。そのため、顔の中でも特に乾燥しやすい部位なのです。
一方、額と鼻筋を結ぶラインであるTゾーンは皮脂腺が豊富にあるため皮脂分泌が盛んで脂っぽくなりやすいです。
このように、部位によって性質が異なることに加えて、インナードライ肌は水分と皮脂のアンバランスさも手伝い、部位ごとの差が大きくなることが特徴です。
バリア機能とは、外部からの刺激や異物などから肌組織を守る防御機能のことです。正常な肌にもともと備わっている重要な機能です。
バリア機能を担っているのは、皮膚の表面を覆うわずか0.02mmの角層と呼ばれる組織です。
角層をもう少し分解してみると、角層細胞と呼ばれるレンガのような組織の周辺を埋めるように、細胞間脂質と呼ばれる組織が存在します。
バリア機能はこの細胞間脂質と呼ばれる組織が主体となって発揮されています。インナードライ肌では角層の乾燥により細胞間脂質の構造が乱れてすき間ができ、外部からの刺激を受けやすい状態になっています。
化粧水をつけたときにヒリヒリと感じたりするのは、バリア機能が低下している証拠です。
インナードライ肌は、肌質が変化しやすく、コントロールが難しいという特徴もあります。
どのような肌質でも、夏場は皮脂分泌が盛んで、冬場は乾燥しやすいのですが、インナードライ肌はその傾向が顕著です。いつもと同じスキンケアをしていても、季節や環境の変化で、合わなくなる場合が出てきます。
肌の状態が悪いときに新しい化粧品や美容機器を試すと肌荒れにつながることもあるため注意が必要です。
では、自分がインナードライ肌かどうかはどのように見分ければよいのでしょうか?
簡易的ではありますが、自宅で簡単に見分ける方法があります。それは、次の方法です。
洗顔後、何もつけずに15分放置した肌を観察したとき「乾燥している部分とテカっている部分両方がある」
上記に当てはまる場合はインナードライ肌です。
かなりざっくりとした見分け方ではありますが、インナードライ肌の傾向があるかどうかを知ることが重要です。
というのも、水分量や皮脂量は、年齢はもちろん、季節や環境によっても変動します。正確に変化を追って肌質を見極めることにあまり意味はありません。
この方法で、インナードライ肌の傾向があると判断された場合は、インナードライ肌向けのスキンケアをベースとして、季節によって少しずつケア方法を調節するのがおすすめです。
インナードライ肌になるかどうかは、「持って生まれた肌質」という先天的な要因もありますが、後天的な要因もあります。どのような原因があるか解説していきます。
先ほども解説したとおり、10代は水分も皮脂も多い脂性肌の人が多いです。
そこから年齢を重ねるごとに、水分量、皮脂量ともに減少していき、高齢になると乾燥肌の人が増えてきます。
水分量と皮脂量が減少する過程で、アンバランスが起きる場合があります。その際、人によっては水分が少なく、皮脂が多いというインナードライ肌になることがあります。
皮膚には恒常性があります。
つまり、なにか変化が起こっても、元の状態に戻そうとする力があるということです。
肌表面を覆う皮脂は、水分の蒸発を防ぐ大切な役割を果たしてくれる、肌にとっては欠かせない成分のひとつです。
そのため、皮脂を肌から落としすぎると、肌は恒常性を発揮して、なくなった皮脂を補うために皮脂分泌を促進します。
例えば、皮脂をアルコールで拭き取ってそのままにしておくと、肌は新しい皮脂を分泌し、元の状態に戻そうとします。
このことから、皮脂を落としすぎると、かえって皮脂分泌を促進してしまい、インナードライ肌の特徴の一つである脂っぽさを招く結果となります。
紫外線が肌に与える悪影響にはさまざまなものがありますが、その一つが乾燥を招くことです。
角層は、角化と呼ばれる細胞の生まれ変わりのリズムが良好に保たれることで、適度な水分量をキープしています。
しかし、肌が紫外線を浴びると、角化のリズムが乱れて角層中の水分量が減少してしまいます。水分が急激に奪われることでかさつき、くすみ、ごわつきなど、インナードライ肌によくある乾燥トラブルにつながります。
ではここからは、インナードライ肌のスキンケア改善方法を解説します。
まずは意識すべきポイントを整理しましょう。
インナードライ肌の人はまず角層をしっかり保湿することが重要です。
インナードライ肌は、皮脂量が多いため、一見するとうるおっているように感じがちです。しかし、水分と皮脂はいわば「水と油」。
全く異なる性質を持つため、別々に考える必要があります。
皮脂分泌が盛んなTゾーンでも、実は水分量が少ないということがありえます。
油分を補うケアはやりすぎるとニキビにつながったりしますが、保湿ケアは存分に行って大丈夫です。
インナードライ肌の人は、表面のテカリに気を取られて保湿ケアをおろそかにしてしまう「うっかり乾燥」になりがちです。テカリとうるおいは別である、ということを意識してスキンケアを行いましょう。
肌を本質的に保湿するには、水分と同時に油分も補う必要があることを覚えておきましょう。
なぜなら、水分だけだと時間が経てば蒸発してしまうためです。
適度に油分を補うことで油分のヴェールで水分を覆って逃さないようにするイメージです。
油分と言っても、単なるオイルを塗るというよりは、水分と油分を混ぜ合わせる乳化という過程でできる乳液やクリームとして補うのが一般的です。
顔全体に油分を補ったら、目元、口元などの乾燥しやすい部分に同じアイテムを重ね付けするのがおすすめです。
もしくは、エイジング、乾燥小じわなどそれぞれの肌悩みに合わせた有効成分を含む別のアイテムを使うのも有効です。
これまで解説してきたとおり、インナードライ肌は部位ごと、季節ごとに肌質にゆらぎがあります。
「自分に合うスキンケアはこの1本!」と決めてずっと同じアイテムを使い続けられたら簡単なのですが、インナードライ肌の場合はなかなか難しいのが現実です。
「今まで肌に合っていた化粧水が、最近なんだかしみる、、、」
こんなこともよく起こります。
インナードライ肌の人は部位や季節に合わせてケア方法を調節し、上手に舵取りをしていくことが安定感のある美肌へつながります。
インナードライ肌が徹底して行うべきスキンケアが保湿です。
乱れがちなモイスチャーバランスを整え、肌を安定させることが最重要です。そんなインナードライ肌の保湿ケアにおすすめの成分を紹介します。
保湿ケア成分は大きく分けて次の2種類です。
ヒューメクタントとは、水と結びつくことでたくさんの水分を抱えキープする事ができる成分の総称です。
ぷるぷるのゼリーなどがイメージしやすいかも知れません。水の中に溶け込み、たくさんの水と共存することで保湿する作用があります。
ヒューメクタントに分類される成分には次のようなものがあります。
・セラミド・アミノ酸・ピロリドンカルボン酸・乳酸・尿素・乳酸菌発酵液・グリセリン・1,3-ブチレングリコール・プロピレングリコール・ヒアルロン酸およびその誘導体・コンドロイチン硫酸 など
これらは、単独で使用するよりも、いくつかを同時に補った方がより高い保湿効果が発揮されることが報告されています。
エモリエントとは、角層の上に閉塞性のある油膜を張ることで水分の蒸発を抑えることができる成分の総称です。
身近な製品でいうとリップクリームがイメージしやすいかも知れません。
エモリエント自体は水分を含まないのですが、水分の逃げ道を塞ぐ事によって保湿する効果があります。
エモリエントに分類される成分には次のようなものがあります。
・ヒト型セラミド・流動パラフィン・スクワラン・ワセリン・ミツロウ・ホホバ油・シア脂・トリエチルヘキサノイン・ミリスチン酸イソプロピル・2-エチルヘキサン酸セチル・イソステアリン酸イソセチル など
エモリエントは基本的には油性の成分です。
この中でヒト型セラミドだけは他と少し違ったメカニズムで保湿効果を発揮することが知られています。
ヒト型セラミドは細胞間脂質にもともと含まれており、バリア機能の要(かなめ)として働く成分です。
ヒト型セラミドを化粧品として外から補うことで、細胞間脂質にアプローチし、角層内側から肌を整え保湿する効果があります。
セラミドは、インナードライ肌の人には特におすすめの成分です。
成分の情報だけだと、実際にはどのようにアイテムを選んだらいいか戸惑ってしまうという方もいます。
そこで、具体的なアイテムの選び方を解説します。
おすすめ成分として解説したヒューメクタントとエモリエントにはそれぞれ次の性質があります。
ヒューメクタントは水に溶けやすいため比較的さまざまな化粧品に配合されています。
例えば、化粧水、乳液、クリームなどです。
ヒューメクタントを含むアイテムはバリエーションが豊富です。
一方、エモリエントは水に溶けづらいため、水が中心のアイテムである化粧水ではなく、乳液、クリームなど、乳化されているアイテムを中心に配合されます。
インナードライ肌の人はヒューメクタントとエモリエント両方を補って本質的な保湿をすることが重要です。
とはいえ、1つのアイテムで両方を含む必要はありません。
例えば、化粧水にヒューメクタント、乳液やクリームにエモリエントを含むアイテムを一緒に使えばOKです
インナードライ肌の人はできれば複数アイテムを使い分けましょう。部位や季節に合わせて使うアイテムを変えるということです。特に油性アイテムである乳液、クリームなどは複数使いをおすすめします。
水分はいくら補っても問題ないのですが、もともと脂っぽい状態のところに過剰に油分を補うとニキビの原因になります。
乳液やクリームは、部位や季節に応じた使い分けが効果的です。
例えば、Tゾーンには油分の少ない乳液、その他の部位には油分の多い乳液を使うなどです。
さらに乾燥の気になる目元や口元には追加でエモリエントを豊富に含むクリームを使うのもおすすめです。
化粧水は、顔全体で同じものを1本でも問題ありません。ただし、冬場はしっとり目のアイテムを選ぶことをおすすめします。
化粧水や乳液などのように補うスキンケアも重要ですが、落とすスキンケアであるクレンジングも手が抜けません。
クレンジングは剤形によって洗浄力をある程度判断できます。
クレンジングの洗浄力は次の順で強いです。
オイル>油性ジェル>クリーム>水性ジェル、ミルク>ローション
インナードライ肌には、クリーム、水性ジェル、ミルクタイプがおすすめです。
オイルタイプは肌表面の皮脂を吸着し、強力に除去する作用があります。
ウォータープルーフの日焼け止めや落ちづらいマスカラなどはオイルタイプのクレンジングに頼らざるを得ませんが、肌のうるおいを保つ天然保湿因子も洗い流されてしまうため短時間の洗浄にとどめましょう。
ローションタイプはさらさらの液状クレンジング剤です。
コットンに付けたり、クレンジングシートなどのシートに含浸された形が多いです。
単体では最も洗浄力が弱いですが、クレンジングシートの場合、肌と不織布との間に生じる摩擦のため洗浄力は中程度となります。物理的に肌を傷つける恐れがあるためインナードライ肌の人にはおすすめできません。
インナードライ肌は、乾燥しているのに脂っぽいという、相反する性質を併せ持つ難しい肌質です。
ただ、肌質は、年齢、季節、スキンケア方法などで変化します。
今回紹介したスキンケア改善方法を実践することで、インナードライ肌を安定したすこやかな美肌へと導くことができます。
日々のスキンケアで理想の素肌を作っていきましょう。
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