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「ストレスで肌が荒れている」「ストレスによりニキビが悪化した」などという経験をしたことはありませんか?
生活をしている上でストレスは避けられません。ストレスが溜まり、肌荒れを起こすと、鏡をみるのもつらいものですよね。
今回は、ストレスによる肌荒れの特徴と、赤みやかゆみの原因から治し方までくわしく解説していきます。
ストレスというのは、一般的にいわれる「悩みごと」だけではありません。自分では気付かない体の不調からくるものや、外的環境からくるものなどもあります。
肌荒れは、ストレスが関係している場合が多く、切っても切れない関係にあるのが現状です。
なかなか治らない肌荒れは、自身が気付かないストレスが原因であることも。
長引くニキビや肌荒れが、実はストレスが原因だったということもあるのです。
心と体は常に繋がっており、さまざまなストレスが肌に影響を与えます。
次の項目からは、ストレスによる肌荒れの原因にはどのようなものがあるのかお伝えしていきます。
ストレスによる肌荒れは、主に4つの原因が考えられます。誰もが起こりえる原因が多く、また原因を知ることで対処しやすくなります。
自律神経とは、自分の意思とは関係なく、体のあらゆる器官を正常に保つためのものです。
人は夜になると眠り、朝になると起きて活動的に動けるのは、自律神経が正常に働いているからなのです。
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」という2つの神経があります。
交感神経とは、主に起きているときに働く神経で、活動的に動けるよう心拍数が増加したり、血管が収縮したりします。
仕事中に、テキパキと効率よく動けるのは交感神経が活発に働いているからです。
副交感神経とは、リラックスしたときや寝ているときに働く神経です。心拍数は減少し、体をゆったりとした状態に導いてくれます。
大きなストレスがかかると、この自律神経のバランスが崩れ「疲れているのに夜眠れない」「日中でもぼーっとしてしまう」という症状が出やすくなります。
自律神経の乱れとして、特に肌荒れにつながりやすいのが寝不足です。
寝不足になると交感神経が活発になることで、皮脂分泌が多くなったり毛穴が開きやすくなったりします。
毛穴が詰まるとニキビや吹き出物、肌全体のごわつきなどさまざまなトラブルにつながります。
ストレスの影響でホルモンバランスが乱れることがあり、女性の場合は月経周期の乱れで気付く人が多いです。
月経前になるとニキビや肌荒れが出やすくなりますが、月経が訪れエストロゲンが増加すると次第におさまってきます。
1か月の間で波があるものの、なんとなくリズムをつかんでいる方が多いでしょう。
しかし、ストレスでホルモンバランスが乱れ、月経周期のリズムが狂うと、肌荒れ状態が続いたり、ニキビが多発したりというトラブルが起こりやすくなります。
月経が止まる、数か月こないなどの場合は、婦人科での診察をおすすめします。診察時に、肌荒れで悩んでいることも伝えてみてください。
また男性ホルモンは、男性にも女性にもありますが、男性ホルモンが増加すると、肌のべたつきやニキビ、肌荒れの原因になります。
ターンオーバーというのは「肌の生まれかわり」のことで、表皮の一番下にある基底細胞から生まれた細胞が、角質層まで上がり垢となって剥がれ落ちるまでのサイクルのことをいいます。
ターンオーバーは年齢とともに遅くなりますが、日焼けをすると早まったり、角質が厚くなれば遅くなったりします。
ターンオーバーが遅くなれば、老化角質が肌に溜まり、毛穴詰まりやざらつき、くすみなどが出て透明感のない肌になってしまいます。
また、ターンオーバーの周期が大きく乱れると、肌のバリア機能が低下しあらゆる外的刺激を受けやすい肌状態になります。
外的環境による肌ストレスは、日々の積み重なりによって肌荒れとして現われやすいです。
紫外線を浴びると、まず肌が乾燥します。日焼けにより肌の皮が剥けると、ターンオーバーは早まり、肌はとても敏感な状態になります。
また、真夏に紫外線を予防するために、長袖+アームカバー+帽子+マスクなどをすると、汗や皮脂で肌が荒れてしまうことがあります。
単に暑さによる発汗だけでなく、不快な時間が長引くことも肌ストレスになるといえます。
湿度と温度が下がる真冬は、非常に乾燥しやすくバリア機能が低下しやすくなります。
同じ人でも、夏は皮脂でべとべと、冬はカサカサになるなど、環境により肌が左右されるのも肌ストレスの一つです。
真夏や真冬に限らず、季節の変わり目の寒暖差に肌が対応できず、肌荒れすることもあります。
実際にストレスが原因で起こる肌荒れの特徴はどのようなものがあるのでしょうか?
ストレスがおよぼす肌荒れの特徴を見ていきましょう。
ストレスが原因で肌荒れを起こすと、肌に赤みがでやすくなります。
バリア機能が低下した肌は、さまざまな外的刺激を受けやすくなるため、いつもと同じ洗顔料やクレンジングなどを使用しても刺激になる場合があります。
普段は大丈夫な方でもバリア機能が低下すると、マスクによる擦れや摩擦により赤くなることも。
赤みがある肌は、皮膚が薄くなっていることが多く、いつもと同じ生活をしても、肌刺激を感じやすくなります。
洗顔やスキンケア時は、極力摩擦を避けておこなってくださいね。
ストレスが溜まった状態は、自律神経の交感神経が優位になっているため、発汗しやすい状態です。
また男性ホルモンの分泌が活発になるため、皮脂分泌が増え毛穴が大きく開いた状態になってしまいます。
肌のキメが粗くなり、メイクのりも悪くなったり崩れやすくなったりします。
開いた毛穴を放置すると、毛穴詰まりからニキビや吹き出物ができやすくなるので注意しましょう。
ストレスから起こるニキビは、皮脂分泌が過剰になることで起こります。毛穴に皮脂が詰まり、フェイスラインや口周りにニキビができやすくなります。
元々オイリー肌(脂性肌)の方や男性の方は、今までニキビができなかったような場所にできることもあります。ニキビは1つ2つではなく、いくつもできることが多いです。
ストレスによる肌荒れには、湿疹やざらつきなどが現われることがあります。
肌表面が乾燥し、小さな湿疹やざらつきによりかゆみが出ることも。
スキンケアをしても「化粧水が肌に浸みる」「赤みが引かない」という状態のときは、セルフケアでは追いつかないため、皮膚科を受診しましょう。
ストレスにより肌荒れが出やすい場所は、フェイスラインや口周りが多いです。
急にフェイスラインや口周りが荒れたら、ストレスが原因の可能性があるため注意しましょう。
また、耳の付近にニキビができる、頬が乾燥して赤みが出るなどの症状があります。
ストレスは生活の中で切っても切れないものの一つです。一難去ってもまた一難やってくるのが現状ではないでしょうか。
ストレスにより肌荒れを起こしたら、なるべく早く治したいものですよね。
ここからは、ストレスから起こる肌荒れの「7つの治し方」についてくわしく解説します。
ストレスで肌荒れを起こすときの多くは、睡眠不足が関係しています。睡眠時は、副交感神経が働くリラックスタイムです。
そのリラックスタイムが得られないと、交感神経が優位になり体は緊張状態になってしまいます。
ずっとONの状態が続くと、考えてみてください。
なるべく早めに就寝し、OFFのスイッチを入れられるように睡眠時間を確保しましょう。
肌の状態が良くなるまでは、いつもより長めの睡眠時間を確保するのがおすすめです。
人は忙しすぎると、ONのスイッチが入りっぱなしになり、いつもせかせかと時間を気にして行動するようになります。
現代の働く人は男女限らず、非常に忙しいものです。仕事に子育て、家事など、朝起きてから寝るまで常にバタバタ状態の人も多いでしょう。
仕事をしている人なら、何も用事のない日に有給休暇を取り、ひとり時間を過ごしてみるのもひとつの方法です。
うまく休養をとることができる人は、肌荒れが早く回復しやすいですよ。
肌荒れでヒリヒリしたり、皮むけしたりした場合は皮膚科を受診し、治療することで早く治すことができます。
肌の調子が良くなれば、心も上向きになりやすいため、心身ともに有効でしょう。
などの場合が目安になります。
通常の皮膚科であれば肌荒れは保険診療ができるため、皮膚科の治療も視野に入れてみてください。
ストレスが溜まっているときは、体の筋肉がこわばり首や肩周りがガチガチに凝っていることが多いです。
ストレッチやヨガなどが効果的で、筋肉をほぐしながら心もほぐせると人気が高まっています。
スタジオやサロンに通わなくても、YouTubeやネットの動画で、簡単なストレッチやヨガのレッスンができるのでぜひ活用してみてください。
最初は5分程度の短いものから始めて、心地よいなと感じれば続けてみましょう。毎日〇分しないといけない!なんて決めなくても大丈夫です。
肩が凝ったな、体が疲れたなというときにストレッチをすると、入眠しやすくなるのでおすすめです。
溜まった皮脂汚れを落とすクレジングと洗顔で、ターンオーバーを整えていきましょう。
肌質にあったクレンジングでメイク汚れを落とし、洗浄力がマイルドな洗顔料をしっかり泡立てて、肌をクリアに整えます。
ぬるま湯ですすぎ、生え際やフェイスラインに洗浄成分が残らないように洗い、汚れをきれいにオフすると、毛穴詰まりによるニキビや肌荒れが回避しやすくなります。
洗顔後は化粧水やクリームで肌を整えますが、肌荒れがひどいときは薬用化粧水の使用をおすすめします。
薬用化粧品は、肌荒れ予防有効成分が配合された化粧水や乳液がいいでしょう。
肌荒れ予防有効成分では「グリチルリチン酸ジカリウム」や「トラネキサム酸」「アラントイン」などがあります。販売サイトや商品パッケージに書いてあるのでチェックしてみましょう。
スキンケアは全部を変えなくても大丈夫です。洗顔後一番にアプローチする化粧水を薬用にするのがおすすめです。
肌荒れや乾燥は、保湿ケアがとても重要。低下したバリア機能を整えるのに有効なのが保湿ケアです。
化粧水の水溶性成分と乳液やクリームの油溶性成分をバランスよく取り入れ、スキンケアで健やかな肌に整えましょう。
特におすすめの成分は以下の3成分です。
・ヒト型セラミド
・ヒアルロン酸
・コラーゲン
ヒト型セラミドは「セラミド+アルファベット」「セラミド+数字」で書かれていますよ。
ストレスを感じやすい人や、ストレスにより肌荒れにつながりやすい人は、肌荒れ予防に効果的な食べ物やサプリメントの摂取がおすすめです。
肌荒れしにくい食品や栄養素はどのようなものが効果的なのか、くわしく見ていきましょう。
ビタミンB群は、皮膚を健康に保つ働きがあり、毎日の食事で取り入れやすい食品が多いです。
ビタミンB群を摂取していると肌荒れを起こしても、早い回復が期待できます。
ビタミンCは、メラニン生成を抑えるシミ予防が有名ですが、コラーゲンの生成をサポートする働きもあるため、肌荒れ予防にはぜひ取り入れたい成分です。
ビタミンB群とビタミンCは水溶性のビタミンになります。特にビタミンCは、加熱に弱いため、生で食べられる果物やサラダがおすすめです。
ビタミンAは、化粧品では「レチノール」という名前で使用されています。皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあるため、美肌には欠かせない成分栄養素になります。
ビタミンAは、油溶性成分のため加熱調理しても壊れにくい栄養素です。油との相性もいいので、炒め物や焼き物などさまざまな調理法で摂取できますよ。
ビタミンEは、体のサビを防ぐ抗酸化作用に優れ、血行を促進する効果もあります。
必須脂肪酸とは、人間の体内で生成できない脂肪酸で、外から摂取する必要のある栄養素です。肌の乾燥を防ぎ、うるおいを与える効果があります。
青魚やレバーを毎日摂取するのは難しいため、亜麻仁油やエゴマ油を大さじ1~2杯ほど取り入れるのがおすすめです。
加熱には向かないため、サラダや味噌汁にかける、ヨーグルトに混ぜて食べるなど工夫してみましょう。
ストレス時に便秘になりやすい方は、普段から食物繊維を摂る習慣をつけ腸内環境を整えておきましょう。
食物繊維は、腸内環境を整えてくれるからニキビ予防にもつながります。
厚生労働省は5年に1回「労働者健康状況調査」をおこなっています。
過去の調査での「仕事や職業生活でストレスを感じている」労働者の割合は、58.0%(2007年)、60.9%(2012年)と推移しています。
コロナ禍以降はさらに%が上がっているのではないかと予想されます。
仕事をしている人の半数以上は、常にストレスを抱えている現状があります。
参考資料:厚生労働省 こころの耳
これらは、仕事に関するストレス調査なので、生活すべてを含めるとストレスを感じていない人はほぼいないのではないかと思います。
悩み+肌荒れは、負の連鎖になりやすいため注意が必要です。
ストレスを抱えて肌が荒れる→荒れた肌がさらなるストレスを生むようになります。
ストレスによる負の連鎖を断ち切るために、視野に入れてほしい方法を紹介します。
ストレスの原因が手放せるものであれば、手放すことをおすすめします。
対人関係であれば、うまくフェードアウトする、付かず離れずの距離感を作るなど。
仕事の部署でどうしても合わない上司やパワハラなどは「異動願いを出す」「転職を考える」のも手放す方法の一つです。
ストレスを手放すときには、とても勇気のいる選択になる場合もあるため、家族や信頼できる人に相談して進めてみてください。
大きなストレスにより、肌荒れだけでなく心身のバランスを崩すと、さまざまな病気の引き金となってしまいます。
このような状態が続くと、仕事もミスを連発したり集中力がなくなったりし、さらなるストレスを抱えることになります。
自分の力ではどうしようもないストレスによる負の連鎖を断ち切るためには、医療の力を借りるのも一つの方法です。
心療内科の敷居は高いと感じる人がほとんどですが、通常の日常生活がおくれなければ悪化の一途をたどる場合もあるのです。
国際共同研究(Kesslerら2007)によると、日本人では一生の間にうつ病、不安症など何らかの精神疾患にかかる人の割合は18%と報告されています。
先進国の中では少なく、3割を超える国も多いと言われています。
実際には「5人に1人は一生の間に何らかの精神疾患にかかる」と考えられています。
参考資料:学校保健
日本人は我慢強いのが美徳とされる傾向があるため、限界を超えても受診できていない人も多いでしょう。
我慢強い人ほど、ストレスがおよぼす影響には注意が必要なのです。
ストレスの連鎖を断ち切るためには、いつもの日常から離れ、非日常を体験することも効果的です。
自然環境のよいコテージに泊まったり、南の島でゆっくり過ごしたりしてみるのもいいでしょう。
気の向くまま過ごす贅沢な時間は、まさに癒やしのひとときといえるでしょう。
スイッチをOFFにして、心地よい環境に身をまかせてみてください。
現代社会では、頑張る人や真面目な人ほどストレスを抱えやすい傾向にあります。
肌荒れは「自分をいたわってほしい」「大切にしてほしい」というサインかもしれません。
長引く肌荒れやニキビは「ストレスが原因かも」と、立ち止まって考えてみましょう。
根本のストレスが暖和できるよう、自分の心に向き合ってみてください。
正しいスキンケアとインナーケアも参考にし、ストレスによる肌荒れ解消を目指しましょう!