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医薬部外品の有効成分として認められている「美白成分」は10種類以上。ここではその成分名を一挙にご紹介します。美白化粧品で迷っている方、ぜひご覧ください。
まず、医薬部外品の美白有効成分とは何か、ですが、厚生労働省に医薬部外品として美白効果と安全性が認められた成分のことをいいます。つまり美白効果が証明されている成分となります。
これらの美白成分を決められた配合量内で使用し認可されると、美白効果のある医薬部外品(薬用化粧品)として販売できます。
医薬部外品(薬用化粧品)は一般的な化粧品と違い、効果があることが証明されている化粧品ということになります。
ここでは美白有効成分と認められた成分を古いものから順に紹介します。
美白有効成分としては最も早く1980年頃に承認された成分になります。
豚や馬の胎盤から得られる栄養豊富なエキスで、メラニンの生成を抑制したり排出を促進して、シミ、ソバカスの改善など美白効果を発揮します。
美白効果だけでなく、肌荒れの改善など、美肌効果の高い成分です。
1983年に承認された美白剤です。水溶性の不安定なビタミンCを安定化したものです。医薬部外品名はリン酸 L-アスコルビルマグネシウムとなり、普通の化粧品に配合されるときの表示名称は「リン酸アスコルビルMg 」となります。
チロシナーゼ活性の抑制、メラニン生成の抑制などの効果があり、美白作用を発揮します。
そのほかにもコラーゲン合成促進作用や過酸化脂質抑制作用などもあり、紫外線を受けた肌のケア効果や年齢の気になる肌をみずみずしく保つ効果などもあります。
ビタミンCを安定化させて水溶性にした美白剤です。ビタミンC誘導体APSとも呼ばれ、化粧品に配合されるときは「アスコルビルリン酸Na」となります。
チロシナーゼ活性の抑制、メラニン生成の抑制などの効果があり、美白作用を発揮します。また年齢肌のケアにも効果的な成分です。
酒や味噌、醤油などに使われるコウジの中に含まれている成分です。チロシナーゼ活性抑制効果があり、メラニンの生成を抑え、日焼けによるシミ・ソバカスに対しての美白効果があります。
化粧品に配合される際も「コウジ酸」と表示されます。
ツツジ科植物であるウワウルシ、コケモモ、セイヨウナシなどの葉に存在している成分です。チロシナーゼを阻害してメラニン色素の生成を抑え、美白効果を発揮します。
化粧品に配合されるときも「アルブチン」と表示されます。
1994年に承認されたアスコルビン酸(ビタミンC)にグルコースを結合させた水溶性のグルコシド型ビタミンC誘導体です。AA-2Gとも呼ばれます。
チロシナーゼ活性阻害作用、メラニン還元作用により美白効果を発揮します。化粧品に配合されるときは「アスコルビルグルコシド」となります。
南アメリカのマメ科植物タラから作られる美白剤です。チロシナーゼ活性を抑制することで美白効果を発揮します。化粧品に配合されるときも「エラグ酸」と表示されます。
シベリアのモミの木に含まれる成分から作られた美白剤です。チロシナーゼ活性抑制作用やTRP-1活性阻害作用で美白効果を発揮します。化粧品に配合されるときは「ルシノール」となります。
カミツレ(カモミール)の花から抽出された天然由来の美白成分です。1998年に美白剤として承認されました。
メラノサイトの活性を抑制し、増加を抑える作用があり、美白効果を発揮します。
2001年に承認された美白剤。リノレックSと呼ばれます。シミのもとであるチロシナーゼを減少させるとともに、できてしまったメラニンを肌の外に排出し、美白効果を発揮します。
化粧品に配合されるときは「リノール酸」と表示されます。
2002年に認可を受けた美白剤です。人工的に生成されたアミノ酸の一種です。
炎症やアレルギーを引き起こす「プラスミン」の働きを阻害する作用があり、美白効果を発揮します。炎症を抑えるため、抗炎症剤としても使用されます。
サリチル酸の誘導体です。4MSKとも呼ばれます。2003年に資生堂が申請し、承認されました。チロシナーゼ活性抑制効果により美白効果を発揮します。
安定性と即効性に優れた水溶性のビタミンC誘導体です。VCエチルとも呼ばれます。チロシナーゼおよびTRP-2活性を阻害することで美白効果を発揮します。
化粧品に配合されるときも「3-O-エチルアスコルビン酸」と表示されます。
大塚製薬の申請によって2004年に医薬部外品美白有効成分として厚生労働省に承認された、「エナジーシグナルAMP」とよばれる成分です。
ターンオーバーを促進し、沈着したメラニンを肌の外へ排出させ、美白効果を発揮します。化粧品に配合されるときは「アデノシンリン酸2Na」と表示されます。
モクレン科ホオノキの樹皮に含まれるマグノロールに類似した構造を持つ美白剤です。マグノリグナンとも呼ばれます。チロシナーゼの成熟を阻止する作用などで美白効果を発揮します。
2005年に承認されましたが、従来の美白剤とは異なる新しいアプローチの美白剤として注目されています。
液体状の油溶性ビタミンC誘導体です。VC-IPと呼ばれます。2007年に承認された美白成分になります。
液状で使用しやすく、他の油成分にもよく溶け、皮膚とのなじみがよく吸収性も優れています。
メラニンの産生を抑制し、美白効果を発揮します。化粧品に配合されるときは「テトラヘキシルデカン酸アスコルビル」と表示されます。
2007年に美白有効成分の承認を受け、2018年にシワ改善有効成分に承認されました。2つの効果の承認を受けた美白成分になります。
メラノソーム移送阻害による美白作用があり、また抗シワ効果も同時に得られる美肌成分です。
化粧品に配合されるときも「ナイアシンアミド」と表示されます。
通称TXCとも呼ばれる成分。トラネキサム酸の誘導体で(トラネキサム酸とセタノールのエステル)トラネキサム酸の浸透性と持続性をより高めています。
シャネルの申請によって2009年に医薬部外品の美白有効成分に承認されました。プロスタグランジン生成抑制により美白効果を発揮します。
2018年に承認された新しい美白剤です。メラニンの塊を細かく分散してターンオーバーを促し、メラニンを排出します。
約10年ぶりに承認された美白剤として注目されています。
19種類の美白有効成分を紹介しました。化粧品は日々進化しています。次に承認される美白剤を楽しみにしつつ、ご自分の肌に合った美白剤をぜひ見つけてください♪