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KNOWLEDGE OF SKIN CARE
VOL.
17
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シミ、そばかす、肝斑の違いは?特徴と対策を紹介

シミ、そばかす、肝斑はどれも肌表面にできる色素沈着ですが、実は4つのタイプがあります。
タイプごとの違いや特徴、それぞれの対策を白クマ博士とネコ助手が詳しく解説します。

シミのタイプによって有効な対策は異なります。自分のタイプを知って適切なケアを行うことが重要です。

シミ、そばかす、肝斑の違い・特徴

シミ・そばかす・肝斑、それぞれの違いと特徴とは

シミとは、皮膚に部分的にできる色素沈着のことです。ほくろとは違い、広範囲なのが特徴で、外観を損なってしまうため悩む方が多いです。
一口にシミと言っても、次の4つのタイプがあります。

  • 老人性色素斑
  • そばかす(雀卵斑)
  • 炎症後色素沈着
  • 肝斑

それぞれの違いや特徴を詳しく解説します。

老人性色素斑

シミのある肌

老人性色素斑は「シミ」と聞いて一番イメージしやすいタイプで、シミ悩みの中で最も多いのが特徴です。
頬の高い位置や目尻にできやすく、年齢を重ねるほど出やすくなります。

40代~50代になって現れることが多いですが、早い人では20代後半~30代前半に現れることもあります。
できはじめは薄い茶色ですが、年齢を重ねるごとに黒く、濃くなる傾向があります。

黒く濃くなってしまうとセルフケアでの対応が難しく、美容皮膚科でのレーザー治療などに頼らざるを得なくなります。

老人性色素斑は周りの肌との色の差が激しく、ファンデーションを塗っても目立ってしまうため、悩みのタネとなりやすいです。

そばかす(雀卵斑)

そばかすのある少女

そばかすは雀卵斑(じゃくらんはん)とも呼ばれます。
年齢を重ねてからできる老人性色素斑と違い、幼いうちからできるのが特徴で、思春期に特に目立つようになります。

茶色のシミが頬から鼻にかけて顔の中心に散らばります。シミ一つ一つは小さく、円形ではなく三角形などいびつな形をしています。
老人性色素斑のように黒くなることはほとんどありませんが、紫外線によって濃くなる場合があります。

炎症後色素沈着

ニキビ跡のある女性の肌

炎症後色素沈着はニキビなどの肌トラブル、虫刺され・やけどなどの外傷や、摩擦によって引き起こされる色素沈着です。

トラブルがおさまったあとに茶色、黒色、赤色などさまざまな色が沈着します。

トラブルの原因を取り除けば、通常、半年~1年ほどで良くなりますが、ターンオーバーが乱れていたりするともっと長い期間、定着してしまうことがあります。

肝斑

肝斑のある女性

肝斑(かんぱん)は、老人性色素斑やそばかすとよく間違われるシミです。
頬骨あたりに左右対称にできるのが大きな特徴です。

頬骨以外にも、額、唇、あごにできる場合もあります。比較的大きめのもやもやした形で、色は薄茶色から暗めの茶色です。

女性ホルモンと深い関係があり、ホルモンバランスに変化があるタイミングでできやすいです。

シミ、そばかす、肝斑の見分け方

シミ・そばかす・肝斑を見分ける方法

自分のシミがどのタイプかわからない、という方のために見分け方を紹介します。
チェックポイント形式で紹介するので、どのシミに当てはまるのか確認してみて下さい。

■老人性色素斑

  • 年齢を重ねてから目立ってきた
  • 頬の高い部分や目尻にある
  • 大きさは直径数mm~数cm
  • 丸い形をしている
  • 薄い茶色~黒色

老人性色素斑は年齢を重ねてから現れるシミです。
丸い形が多く、色は薄い茶色から始まり、だんだんと黒くはっきりしてきます。

■そばかす

  • 幼児期から思春期にできた
  • 頬や鼻を中心に散らばるように存在している
  • 大きさは直径2~3mm
  • 丸くはなく、三角形や四角形
  • 薄い茶色

そばかすは老人性色素斑と違い、若いうちにできやすい特徴があります。
色は薄く、思春期以降は年齢を重ねたからと言って濃くなるわけではありません。

■炎症後色素沈着

  • ニキビ、虫刺され、傷が治った後にできた
  • 茶色、黒色、赤色などの色をしている

炎症後色素沈着は何らかの肌トラブルや外傷の後にできるため見分けやすいシミです。
目立った肌トラブルがなくても、頻繁にこすれる部位に現れる場合があります。

■肝斑

  • 目の下から頬にかけて左右対称にある
  • 薄い茶色から濃い茶色
  • 妊娠中や、ピルを飲み始めてから目立ってきた
  • 更年期になってから目立ってきた

肝斑は左右対称にできるのが大きな特徴です。
女性ホルモンが大きく変動するタイミングで出始めた場合、肝斑を疑ったほうが良いでしょう。

シミ、そばかす、肝斑の原因

シミのある肌の断面図イラスト

シミ、そばかす、肝斑などの全てに共通する原因がメラニンの蓄積です。
まず4タイプに共通するメラニン生成・蓄積メカニズムについて解説します。

その後、それぞれのタイプごとに「なぜメラニンの生成・蓄積が起きてしまうのか」という根本原因について深堀りします。

4タイプに共通する原因・メカニズム

皮膚の中にはメラノサイトと呼ばれる組織があり、ここで色素であるメラニンが作られます。

メラニンは肌に悪いものとして認識されていますが、本来は細胞のDNAを守る役割を果たす物質です。

メラニンは日常的に作られており、通常であれば生成と排出のバランスが保たれて色素沈着することはありません。
しかし、何らかの原因で過剰に生成されたり、排出が上手くできなくなったりするとシミとして沈着してしまいます。

メラニンが生成され蓄積する流れは次の通りです。

1、紫外線などによって表皮細胞が刺激される
2、表皮細胞がメラノサイトを活性化
3、メラノサイト内のチロシンがメラニンへと変化
4、生成されたメラニンが表皮細胞に放出され蓄積

紫外線やホルモンの影響で肌の表面近くにある表皮細胞が刺激されます。刺激によって「メラニンを作れ」という指令が出て、メラノサイトが活性化されます。

メラノサイトでは、チロシンという物質が化学反応を起こし最終的にメラニンができます。
生成されたメラニンはメラノサイトから表皮細胞に放出されます。それが何らかの理由で蓄積することでシミとなります。

老人性色素斑の原因

紫外線と肌のシミのイラスト

老人性色素斑の主な原因は紫外線や加齢です。紫外線を浴びることによってメラニン生成が過剰に起こります。また、加齢に伴って肌のターンオーバーが悪くなり排出も遅れます。

生成と排出が同時に上手くいかなくなることで、老人性色素斑ができてしまうと考えられます。

最近の研究ではメラニンは表皮細胞よりも深い部分にある真皮幹細胞にも蓄積することがわかりました。こうなると、どんどん悪循環が起きメラニンの蓄積が進んでしまいます。

そばかすの原因

そばかすは遺伝的な要因で発生します。
人種で言うと白人に多く、日本人では色白の人に多く見られます。

メラノサイトの数は変わりませんがメラニン生成が過剰になっている状態です。
主要因は遺伝ですが、日光にあたりやすい頬、鼻などにできやすく、紫外線によって悪化することがあります。

炎症後色素沈着の原因

炎症後色素沈着の原因は、ニキビ、虫刺され、やけどなどの肌トラブルや外傷です。
皮膚に炎症が起きることでメラニンが過剰に分泌され、排出に時間がかかっている状態です。

日本人を始めとする黄色人種は黒色メラニンが多いため、炎症後色素沈着が特に目立ちやすいと言われています。

外傷だけでなく、一見すると傷ついていることがわからない日常的な刺激によっても発生します。
例えば洗顔時に強くこすったり、強いピーリング剤を使ったりといったスキンケアも原因になります。

色素沈着した部位に紫外線を浴びると悪化させることがあるので注意が必要です。

肝斑の原因

肝斑は女性ホルモンや紫外線が原因です。
メラノサイトが通常よりも高いレベルでメラニンを生産している状態です。

30代~40代の女性に多く、妊娠やピルの服用など、女性ホルモンのバランスが変化したときに出やすいです。

また、生活習慣やストレスの影響でホルモンバランスが乱れて発生する場合もあります。
肝斑も他のシミと同様に、紫外線によって悪化するため適切な紫外線対策が重要です。

シミ、そばかす、肝斑の対策

シミ、そばかす、肝斑の対策

ここからはシミのタイプごとの対策を解説します。

老人性色素斑の対策

美白クリームを塗る女性

老人性色素斑には次の対策が有効です。

  • 紫外線対策
  • 美白化粧品

まずは予防が重要です。
日焼け後、すぐに肌が黒くならない体質でも、数年~数十年後に老人性色素斑につながる可能性があります。若いうちから紫外線対策を徹底することで将来のシミを防ぎましょう。

また、初期の薄い老人性色素斑には美白化粧品が有効です。
具体的には次の成分を含む化粧品がおすすめです。

  • カモミラET(カミツレエキス)
  • m-トラネキサム酸
  • アルブチン
  • コウジ酸
  • ルシノール
  • マグノリグナン
  • ビタミンC誘導体

カモミラET、m-トラネキサム酸はメラニンの生成指令を止める働きがあります。
アルブチン、コウジ酸、ルシノール、マグノリグナンは、メラニンができる反応を途中で止める効果があります。

これらの成分は、シミのもととなるメラニンを作らせないという意味で将来のシミ予防に働きます。

一方、ビタミンC誘導体は、できてしまったメラニンの排出を促進します。
老人性色素斑に悩む方はぜひ試してみて下さい。

以下のページでは、美白有効成分に認定されている成分をすべて掲載しています。合わせてご覧ください。

そばかすの対策

そばかすには次の対策が有効です。

  • 紫外線対策
  • ターンオーバーの正常化

そばかすは遺伝的な要因でできるシミのため、美白化粧品の効果が得られづらいです。
完全に取り除くことは難しいですが、悪化させないためのケアが重要です。

そばかすができやすいのは頬や鼻など紫外線が当たりやすい部分です。 紫外線によって濃くなったり、増えたりすることがあるため、日焼け止めで入念な紫外線対策をしましょう。

また、そばかすはメラニンが点々と存在している状態です。
肌のターンオーバーを正常化させ、メラニンの排出を促進することもおすすめです。

炎症後色素沈着の対策

炎症後色素沈着には次の対策が有効です。

  • 美白化粧品
  • ターンオーバーの正常化
  • 摩擦に気をつける

炎症後色素沈着には、美白化粧品が効果を発揮します。
具体的には次の成分がおすすめです。

  • ビタミンC誘導体
  • エナジーシグナルAMP
  • リノール酸S
シミが排出されるイラスト

ビタミンC誘導体はメラニンの生成を抑えたり、メラニンそのものを還元したりする役割があります。

エナジーシグナルAMPは天然酵母由来の成分で、生成されてしまったメラニンの排出を促進します。

リノール酸Sは植物油から抽出される成分で、こちらもメラニンの排出を促進したり、メラニンの生成を抑えたりする働きがあります。

また、炎症後色素沈着は日常的な摩擦によって引き起こされている場合もあります。
洗顔はしっかり泡立てて優しく行うなど、普段のスキンケアで過剰な摩擦がかかっていないか見直してみましょう。

肝斑の対策

肝斑には次の対策が有効です。

  • 紫外線対策
  • トラネキサム酸(内服)
  • 美白化粧品

肝斑も他のシミと同様、紫外線によって悪化することがあります。
肝斑が気になる部位には日焼け止めを重ね塗りするなど入念な対策を行いましょう。

また、内服のトラネキサム酸も効果が出やすいです。内側からのケアを行いたい人には特におすすめです。

美白化粧品が有効な場合もあります。特に、炎症後色素沈着の対策でも紹介した次の成分がおすすめです。

  • ビタミンC誘導体
  • エナジーシグナルAMP
  • リノール酸S

肝斑は生活習慣やストレスの影響で女性ホルモンのバランスが乱れると悪化する場合があるので、できる範囲で食生活や睡眠環境を整え、運動習慣を取り入れましょう。

まとめ

シミはタイプごとに適切な対策が異なります。
自分のシミ悩みのタイプを知って、タイプに合わせた対策を行うことが重要です。 今回の記事を参考にしてシミ悩みのない肌を目指しましょう!

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