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KNOWLEDGE OF SKIN CARE
VOL.
19
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ビタミンC誘導体とは?種類と効果をわかりやすく

美白化粧品やエイジングケア化粧品には欠かせないビタミンC誘導体。今では種類も増え、さまざまな特徴を持ったビタミンC誘導体が化粧品に使用されています。

今回はその種類や効果について、白クマ博士とネコ助手が解説します。

そもそもビタミンC誘導体とは?

オレンジなどの柑橘類

ビタミンC(アスコルビン酸)は化粧品成分として肌に対しとてもよい、美肌効果を持っています。美白作用、コラーゲン生成作用、毛穴のケア、皮脂バランスを整えるなどです。

一方でビタミンCは水溶性ビタミンなので、そのままでは皮膚から吸収されたり浸透するのが難しい成分です。
さらに安定性が低く、熱や空気、アルカリなどによって徐々に壊れてしまいます。

そこで純粋なビタミンCに化学的な変化を加え、安定していて皮膚から浸透しやすい「ビタミンC誘導体」が開発されています。

ややこしい医薬部外品の制度

ここにビタミンC誘導体の名前と効果を上げていくことは簡単ですが、そうはいかない、できない理由があります。

それが医薬部外品(薬用化粧品)の制度です。

どういう制度かと言いますと、厚生労働省に医薬部外品として何らかの効果と安全性が認められた成分を配合すると、その効果を表示できる、というような制度です。

ビタミンC誘導体の場合はほとんどが「美白効果」で承認を得ています。逆に言うと承認を受けていない場合は、効果を謳えない、つまり配合していても美白効果がありますといえないのです。

守らないと薬機法違反となり法律違反となるのですが、ネット上はかなり無法状態となっています。

実はこれだけではなくさらにこの制度はややこしくしているのですが、それは「医薬部外品(薬用化粧品)」と「普通の化粧品」に配合される時、表示名(成分名)の変わる成分があるのです。しかも同じ場合もあります。

これはややこしいです。例えば「リン酸 L-アスコルビルナトリウム」は普通の化粧品に配合する際は「アスコルビルリン酸Na」と変わります。

今回はその辺りも含め、できるだけ分かりやすく解説したいと思います。まずは医薬部外品の美白効果を取得しているビタミンC誘導体から紹介していきます。

医薬部外品で承認された
美白有効成分

リン酸 L-アスコルビルマグネシウム

1983年に承認された美白剤です。水溶性の不安定なビタミンCを安定化したものです。医薬部外品名は「リン酸 L-アスコルビルマグネシウム」となり、普通の化粧品に配合されるときの表示名称は「リン酸アスコルビルMg 」となります。通称APMとも呼ばれます。

チロシナーゼ活性の抑制、メラニン生成の抑制などの効果があり、美白作用を発揮します。

そのほかにもコラーゲン合成促進作用や過酸化脂質抑制作用などもあり、紫外線を受けた肌のケア効果や年齢の気になる肌をみずみずしく保つ効果などもあります。

リン酸 L-アスコルビルナトリウム

ビタミンCを安定化させて水溶性にした美白剤です。ビタミンC誘導体APSとも呼ばれ、化粧品に配合されるときは「アスコルビルリン酸Na」となります。

チロシナーゼ活性の抑制、メラニン生成の抑制などの効果があり、美白作用を発揮します。また年齢肌のケアにも効果的な成分です。

L-アスコルビン酸 2-グルコシド(ビタミンC・2-グルコシド)

1994年に承認されたアスコルビン酸(ビタミンC)にグルコースを結合させた水溶性のグルコシド型ビタミンC誘導体です。AA-2Gとも呼ばれます。

チロシナーゼ活性阻害作用、メラニン還元作用により美白効果を発揮します。化粧品に配合されるときは「アスコルビルグルコシド」となります。

3-O-エチルアスコルビン酸

安定性と即効性に優れた水溶性のビタミンC誘導体です。VCエチルとも呼ばれます。チロシナーゼおよびTRP-2活性を阻害することで美白効果を発揮します。

化粧品に配合されるときも「3-O-エチルアスコルビン酸」と表示されます。

テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル

液体状の油溶性ビタミンC誘導体です。VC-IPと呼ばれます。2007年に承認された美白成分になります。

液状で使用しやすく、他の油成分にもよく溶け、皮膚とのなじみがよく吸収性も優れています。

メラニンの産生を抑制し、美白効果を発揮します。化粧品に配合されるときは「テトラヘキシルデカン酸アスコルビル」と表示されます。

L-アスコルビン酸硫酸エステルニナトリウム

アスコルビン酸に硫酸をくっつけた水溶性のビタミンC誘導体です。ビタミンC誘導体の中では安定していて壊れにくいです。普通の化粧品に配合される時の表示名は「アスコルビン酸硫酸エステル二ナトリウム」です。
※美白、で承認を受けているか確認できませんでした。

ジパルミチン酸アスコルビル

経皮吸収性・安定性を高めた脂溶性のビタミンC誘導体です。アスコルビン酸に2つのパルミチン酸をくっつけた成分です。ビタミンCに脂肪酸をくっつけたものの中では安定な状態で配合できます。美白作用、コラーゲン合成促進などの効果があります。普通の化粧品に配合される場合も同じ名前です。
※美白、で承認を受けているか確認できませんでした。

L-アスコルビン酸ステアリン酸エステル

アスコルビン酸とステアリン酸のエステルで、油溶性のビタミンC誘導体です。ビタミンCステアレートと呼ばれることもありますが、普通の化粧品に配合される時は「ステアリン酸アスコルビル」となります。
油溶性のビタミンCではありますが植物油にわずかしか溶けず、エタノールに溶け、水には溶けません。美白目的や製品の酸化防止剤として配合されます。
※美白、で承認を受けているか確認できませんでした。

以上が厚生労働省から「美白効果」の承認を得ている医薬部外品として使えるビタミンC誘導体でした。(普通の化粧品に配合される際の名称も書きましたが、その場合は薬用化粧品でないので、美白効果は謳えません)

医薬部外品の承認を取っていない
ビタミンC誘導体

3-O-セチルアスコルビン酸

安定性に優れたビタミンC誘導体です。コラーゲンサポート機能があり、エイジングケア化粧品に使用されます。

グリセリルアスコルビン酸

iVCと呼ばれるビタミンC誘導体です。成和化成が特許を取っており、6通りのラインアップがあります。基本はビタミンCに2分子のグリセリンを付加した安定性の高い水溶性ビタミンC誘導体です。

このグリセリルアスコルビン酸は商品名「Amitose 2GA」といい、ビタミンC特有のきしみがなく、しっとりとした保湿感がありながら、滑らかで心地良い使用感の製剤開発が実現できます。

※以下6つの参考・引用:成和化成(外部サイトへ)

ビスグリセリルアスコルビン酸

2つ目は「Amitose DGA」:うるおい保湿型ビタミンCとよばれる、透明ジェル処方などを実現できるビタミンC誘導体です。

ビタミンCや従来のビタミンC誘導体のように強いイオン性を持たない、ノニオン性ビタミンC誘導体です。イオン性成分の配合が困難なジェル製剤や、クリーム製剤などの乳化物への配合に適しており、幅広い剤型の化粧品開発を実現します。

3-グリセリルアスコルビン酸

3つ目は「Amitose 3GA」:カジュアルエイジングケアと呼ばれる、多角的なアプローチからのエイジングケアを実現するビタミンC誘導体です。コストパフォーマンスに優れるため、高配合製剤の開発に適します。また、経時安定性が高く、ビタミンC特有の着色劣化がほとんど起こらない点も大きな特徴です。

ヘキシル3-グリセリルアスコルビン酸

4つ目は「Amitose HGA」:オートファジャーと呼ばれ、数あるビタミンC誘導体の中でも、特に優れたメラニン抑制効果を持ちます。その作用機序は一般的なビタミンC誘導体と異なり、メラニン産生抑制、メラニン輸送阻害、メラニンのオートファジーの活性化という3つの作用点でブライトニング効果を発揮します。

ミリスチル3-グリセリルアスコルビン酸

5つ目は「Amitose MGA」:ポアショットと呼ばれる、アクネ菌の増殖抑制、毛穴の原因となる皮脂の抑制、皮脂の増加に関与する5α-レダクターゼの抑制という3つのメカニズムによって毛穴を改善するビタミンC誘導体です。多角的アプローチで毛穴を小さく目立たなくします。

3-ラウリルグリセリルアスコルビン酸

6つ目は「Amitose 3LGA」:セラミドプロモーターとよばれる、肌本来の力を高めて健やかな肌へ導くビタミンC誘導体です。

肌内外のストレスに対して、セラミドサポート効果などを発揮し、バリア機能をケア、ストレスに対抗します。そして敏感肌をすこやかな肌へと導きます。

イソステアリルアスコルビルリン酸2Na

新しいビタミンC誘導体で、高浸透ビタミンC誘導体、通称「APIS」とも呼ばれます。ビタミンCにイソステアリルリン酸エステルが結合した構造をしており、親水性と親油性を兼ね備えた両親媒性となっています。高い安定性・高い浸透性・高い代謝性、これら3点を兼ね備えたビタミンC誘導体です。

カプリリル2-グリセリルアスコルビン酸

ビタミンCにグリセリンとオクタノールを結合させたこれも新しいビタミンC誘導体です。通称「GOVC」です。親水性と親油性を持つ両親媒性となっており、肌への高い浸透性(角層まで)を持っています。グリセリンの保湿性もあり、これまでのビタミンC誘導体の欠点でもある、皮膚に対するつっぱり感や乾燥などが抑えられます。ノニオン性のため、化粧水やジェルへの配合も可能です。

パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na

ビタミンCにリン酸エステルとパルミチン酸エステルが結合した構造のビタミンC誘導体です。通称APPSと呼ばれ、親水性、親油性両方持っている両親媒性です。高い浸透性を持ち、「高浸透型ビタミンC誘導体」とも呼ばれます。脂質のパルミチン酸があるため、使用感もつっぱり感や乾燥感が抑えられています。
しかしAPPSには欠点があり、それは安定性の悪さです。長期的に安定性を保つのが困難な成分です。

新しいビタミンC誘導体も複数出てきており、効果も高まっているようです。エイジングケアや美白化粧品の選択肢が増えるとうれしいですね♪

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