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肌のなかでも最も乾燥が気になるのは顔ではないでしょうか?
体は衣服や肌着に覆われて、外的環境から守ることができますが、顔はいつも外気にさらされています。
今回は乾燥肌の洗顔方法と洗顔料の選び方について解説していきます。
洗顔料に配合される洗浄成分や保湿成分を知ると、乾燥肌の洗顔料選びに役立つのでぜひ最後までお読みください。
乾燥肌とは、肌の水分量が低下した状態をいいます。
一般的に肌の水分量とは、肌の一番上にある「角質層にどれだけの水分量が含まれているか」で判断します。
健康な肌の水分量は20~30%で、20%以下になると粉吹きやかさつき、肌荒れを引き起こしやすくなります。
「乾燥肌の方は角質層の水分は少ないが、内部はうるおっているのか?」と問われると、答えはNOです。
肌内部にあるうるおい成分セラミドは、年齢とともに減少し50代になると20代の半分しかないといわれています。
肌を土台から支えるうるおい成分が不足することで、角質層の水分保持能力が下がると考えられます。
肌のうるおい成分が不足すると、水分を保つ力が弱くなり蒸発しやすくなります。
肌質はもちろんですが、年代によっても肌の水分量や皮脂量は変化し、乾燥状態は変わってきます。
「乾燥肌の人は、顔を洗うとうるおい成分が流れるから洗顔しないほうがいい」という説を聞いたことがありませんか?
一時期、洗わない拭き取り洗顔が流行ったこともありました。
顔を洗うと、肌を守る皮脂や水分が奪われるのは事実ですが、顔を洗わないと汚れや老化角質がどんどん蓄積してしまいます。
洗いすぎはダメですが、顔を洗わず汚れが蓄積するとあらゆる肌トラブルを招きます。
乾燥肌の人は、肌に合った洗顔料を使用し、うるおいを保つ洗顔法をすればすこやかな肌を目指せます。
朝の洗顔は、就寝中の肌の汚れや分泌された皮脂を落とします。夜の洗顔は、日焼け止めや1日の外気の汚れを落とす役割があります。
乾燥肌の洗顔は、選ぶ洗顔料を間違えると、乾燥を加速させてしまうことも。
乾燥肌の洗顔料の選び方は、洗浄成分や保湿成分をチェックすることが大切です。
洗顔料に配合される洗浄成分にはさまざまな種類がありますが、代表的な7種類の洗浄成分をチェックしていきましょう。
脂性肌やべたつきが気になる肌に使いやすい洗浄成分です。
7つの洗浄成分をまとめました。 乾燥肌は★の数が多いほどおすすめです。
洗顔料選びの際はぜひチェックしてみましょう。
洗浄成分の種類 | おすすめ度 |
---|---|
固形石けん |
★ |
液体石けん |
★★~★★★ |
コールドプロセス石けん |
★★★★★ |
石油系洗浄成分 |
★ |
アミノ酸系洗浄成分 |
★★★★★ |
ベタイン系洗浄成分 |
★★★★ |
グルコシド系洗浄成分 |
★★★★★ |
洗顔料は落とすケアですが保湿成分を配合されていると、しっとりした洗い上がりになります。
など。
あくまで洗浄成分が重要ですが、保湿成分が配合されると洗浄力がマイルドになり、洗い上がりに差が出ます。
酵素洗顔料は、毛穴汚れや老化角質を分解する酵素の働きにより、くすみをオフしたり肌をすべすべにしたりする効果があります。
基本的には粉状のタイプが多く、泡立ちは低めです。2022年には、チューブタイプの酵素洗顔も発売され大人気となりました。
酵素は、肌のたんぱく質を分解するため、乾燥肌には日常的に使用するのは推薦しません。
酵素洗顔に配合される酵素は主に以下のものがあります。
など。
乾燥肌の人は、酵素洗顔を毎日使うのではなく、週1~2回の角質ケアとして取り入れるのがおすすめです。
乾燥肌はバリア機能が低下しやすく、敏感肌に移行しやすいため、肌刺激はなるべく避けることが鉄則です。
スクラブ入りの洗顔料はスクラブ成分により、肌の角質を落とすピーリング効果があります。
角質肥厚やごわつきのある肌、オイリー肌にはおすすめです。
しかし、乾燥肌の人にはより乾燥を招きやすくなるため、スクラブ洗顔はおすすめしません。
AHAとは、フルーツ酸やリンゴ酸などと呼ばれるピーリング成分のことです。
肌表面の古い角質を剥がし、つるつるな肌を目指す洗顔料の成分です。
乾燥肌の人が使うと、すでにかさかさになった肌の角質を剥がすため、刺激になりやすくおすすめしません。
拭き取り洗顔は、洗わないため一見肌には良さそうに感じますよね。
しかし拭き取りはコットンやシートタイプを使用することが多く、摩擦による肌刺激が懸念されます。
また拭き取り化粧水や洗顔シートなどは、AHAなどの角質柔軟成分が配合されているものが比較的多いため、乾燥肌の刺激になりやすいといえます。
清涼感のあるタイプは、エタノールが高配合のため、肌の水分を蒸発させやすく乾燥を加速させてしまうためおすすめしません。
スクラブやAHAは、皮脂分泌が多く角質が厚い人やオイリー肌には非常に人気が高い成分です。自分の肌に合うかどうかが大事なポイントです。
ニキビ予防洗顔料の有効成分に配合される、殺菌成分はニキビの原因菌を抑える働きがあります。
殺菌成分は思春期ニキビにはおすすめですが、乾燥肌にはバリア機能が低下しやすくなるためおすすめしません。
乾燥肌は洗顔料選びも大切ですが、洗い方もとても重要です。
ここからは、乾燥肌のための洗顔法をお伝えしていきますね。
タオルは何度が洗濯するとごわごわになりがち。使い捨ての洗顔タオルやクレンジングタオルなら、肌あたりがやさしく衛生的でおすすめです。
ドラッグストアやネット通販でも販売しているので、チェックしてみてください。
肌が乾燥するとお悩みの人が、意外にやっているNGな洗顔法、あなたはやっていませんか?
お風呂で洗顔すると、どうしてもお湯の温度が体温以上になってしまいます。
乾燥肌は熱いお湯が大敵で、40度を超えるお湯で洗うと一気に皮脂が奪われます。
シャワーを直接顔にかけるのも、肌刺激になるためNGです。
「どうしてもお風呂で洗顔をしたい」という人は、顔を洗うときだけ温度を下げ、手でお湯をすくって洗ってみてくださいね。
お風呂で洗顔するときに、洗顔料ではなくボディソープで洗う人がたまにいます……。
ボディソープは、洗顔料よりも洗浄成分が強めのものが多く、普通肌の人でもボディソープで洗うと乾燥します。
もし、ボディソープで顔を洗っているのなら、洗浄力がマイルドな洗顔料に変えるだけでも改善すると思われます。
乾燥して顔が粉拭き状態になったり、カサカサしたりしたときは、手持ちの乳液を使って洗顔してみましょう。
乳液は油性成分と水溶性成分が配合されているため、皮脂汚れをやさしく落としながらうるおいを与えることができます。
乳液洗顔の注意点として、肌摩擦が起きないようにケチらずにたっぷり使うのがコツ。
乳液洗顔は、UVクリームやメイクを落とすことはできないため、朝洗顔でおこなうのがおすすめです。
洗い流したあともうるおい感があるため、乾燥がひどいときにお試しください。
乾燥肌の洗顔は、洗顔料や洗顔法でトラブルを引き起こしやすいです。
乾燥肌に悩む人から多い質問にお答えします。
Q 肌荒れ時の洗顔法は?
A 肌の乾燥がひどくなるとバリア機能が低下し、肌荒れすることも少なくありません。
皮が剥けてヒリヒリする、赤みがある状態のときは、洗顔料は使わずにぬるま湯で洗ってみてください。
多少べたつきが残るかもしれませんが、肌の回復を待つことが優先です。
なるべく皮膚科を受診し、肌荒れを治しながら、数日ぬるま湯洗いで様子をみましょう。
ヒリヒリや皮むけが治まってきたら、乳液洗顔やアミノ酸系洗浄成分の洗顔料でやさしく洗ってみてください。
肌荒れ時のスキンケアは、なるべくシンプルにオールインワンや、化粧水+クリーム程度にして肌に負担をかけないのがベターです。
特に摩擦は厳禁なので、コットンは使用せずに手でつけるようにしましょう。手で顔を包み込むようにして、おさえてつけるのがポイントですよ。
Q 乾燥肌は洗顔しないほうがいい?
A 乾燥肌でも基本的には、洗顔料を使用して洗顔したほうがいいです。
乾燥肌が気を付けたいのは、以下の4点です。
・洗いすぎない
・洗浄力の強い洗顔料を使わない
・肌を摩擦しない
・熱いお湯で洗わない
50歳前後の更年期世代以降は、皮脂分泌と水分量が急激に減少するため、マイルドな洗顔料でも敏感肌になる場合があります。
そのような場合、洗顔料は使用せずに、朝はぬるま湯洗いをおすすめすることもあります。
Q 乾燥肌なのにニキビが出る肌の洗顔法は?
A 大人ニキビは、肌が乾燥している状態でもニキビが出ることがあります。
洗浄力が強い洗顔料を使用し、肌を乾燥させると皮脂分泌が多くなりがちなので、肌にやさしい洗顔料を使用してみてください。
肌にうるおいが残る洗顔をすれば皮脂分泌が抑えられ、毛穴が詰まりにくくなりニキビ予防につながります。
スキンケアは、化粧水であればさらっとした使用感のものを重ね付けし、乳液などを取り入れ水分と油分のバランスを整えましょう。
顔の乾燥に悩む人は、まず洗顔料から見直すことをおすすめします。
なぜなら、スキンケアで保湿しても洗顔料でうるおいを奪っていては、いたちごっこになるからです。
現在30代だけど、20代から同じ洗顔料を使っている人や洗浄力が強いタイプを使用している方は要注意です。
年齢が上がるごとに、肌の状態(水分量や皮脂量)は変化してくるため、年代や肌状態に合わせた洗顔料を選びましょう。
ここまで乾燥肌の洗顔方法について解説しました。とくに洗浄成分にこだわって解説したので、洗顔料を選ぶ時の参考にぜひして下さい。しっとり洗顔料で乾燥知らずに♪