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年齢を重ねると現れる口元のシワ。
実年齢より老けた印象を与えてしまうこともあるため、気になっている人も多いのではないでしょうか?
シワのできる原因は実は加齢だけではありません。
今回は口元のシワの原因と対策方法を白クマ博士とネコ助手が解説します。
シワとは皮膚の表面にできる溝のことで、皮膚の変形によって起こります。
ハリや弾力のある若い皮膚であれば、一時的にシワができてもすぐに元に戻ります。
しかし加齢に伴い皮膚の弾力が低下してくると、一時的にできたシワも戻りにくくなります。
口元は大きく動かすことが多く、顔の中でも皮膚が薄く乾燥しやすいためシワができやすい場所です。
シワは加齢だけではなく、さまざまな要因が重なりあって起こります。
適切に対処するためにも、まずは口元にシワができる原因から見てみましょう。
乾燥によって皮膚の柔軟性やハリが失われると、浅くて細かなシワができやすくなります。
「ちりめんジワ」「小ジワ」「表皮性ジワ」とも呼ばれ、皮膚が薄いうえによく動かす口元や目元に現れることが多いのが特徴です。
ケアを怠るとシワがより深くなり、さらに数が増えるとシワ同士が重なって太くて目立つシワへと発展してしまうことも。
シワの中では比較的初期の状態なので、早めに対処することでシワの定着を防ぎましょう。
表情の癖によって表情筋が繰り返し動かされることで、皮膚にヨレが生じてシワとなって現れます。
このシワを「表情ジワ」「真皮性シワ」と呼びます。表情ジワは一過性のものと定着したものとで分けられます。
年齢にかかわらず、笑った時などの表情の変化に伴ってできるシワ。
皮膚にハリや弾力がある状態ならば、一時的にシワができても表情を戻せばまたシワのない状態に戻ります。
無表情の時でも現れる、癖がついて戻らなくなった表情ジワ。
特定の表情が多くなったり、加齢や乾燥などの理由で皮膚のハリや弾力が失われたりすると、一過性の表情ジワがそのまま定着してしまうことがあります。
シワは笑顔の時にできるシワなど悪いものばかりではありませんが、必要以上に力が入って皮膚に無理がかかっていないか見直してみると良いでしょう。
皮膚のハリや弾力がなくなって「たるみ」が生じると、皮膚が折りたたまれて線になって残ります。
その折りたたまれた線がシワとして定着してしまうのが、たるみによるシワです。
私たちの皮膚は体の外側から順に「表皮」「真皮」「皮下組織」と3層の構造になっています。
たるみの主な原因は、真皮の構造が変化することで引き起こされる皮膚の弾力低下によるものです。
真皮には皮膚のハリや弾力を保つ役割の「コラーゲン」「エラスチン」と、これらを生み出す役割の「線維芽細胞」が存在しています。
この真皮にあるコラーゲン、エラスチン、線維芽細胞が加齢によって構造変化したり、紫外線や活性酸素によるダメージを受けたりすると、表皮を支えることができなくなって、シワやたるみに繋がります。
口元のシワには大きく分けて4種類あり原因も異なります。
適切に対処するためにも、それぞれのシワの特徴を見てみましょう。
唇の上などに縦に入る細かい線を「縦ジワ」と呼びます。
縦ジワの主な原因は、口元の皮膚の乾燥です。
口を閉じた時にあごに現れる、梅干しの表面の模様のようなシワを「梅干しジワ」と呼びます。
梅干しジワの主な原因は表情の癖によるもので、下あごの筋肉に余計な力が加わることで現れます。
歯を食いしばる、ストローを吸うなどの動きをした時に目立つシワです。
小鼻の両脇から口元に向かって、八の字に伸びるシワを「ほうれい線」と呼びます。
ほうれい線の主な原因は、頬のたるみであることが多いです。
唇の両端からあごにかけて、縦に伸びる2本の線を「マリオネットライン」と呼びます。
マリオネットラインの主な原因は、口元の皮膚や頬のたるみであることが多いです。
腹話術に使われる人形に似ていることから、このような名称がつけられました。
口元のシワの対策方法は主に3つあります。
効果的なシワの種類と併せて解説します。
「縦ジワ」などの乾燥から起こるシワや、浅い「表情ジワ」には保湿ケアによる対策が効果的です。
乾燥して柔軟性を失った皮膚はシワになりやすい状態です。正しい保湿ケアで皮膚表面のハリと弾力を保ち、シワが深くなるのを防ぎましょう。
たるみから起こる「ほうれい線」や「マリオネットライン」を予防するためには、紫外線対策は欠かせません。
「肌の老化の8割は光老化が原因」とも言われるように、紫外線はシワの大きな原因の一つです。
肌に影響を与える紫外線にはUV-AとUV-Bの2種類があり、波長の長いUV-Aは肌の奥深く真皮まで届きます。
真皮には皮膚のハリや弾力を保つ役割のコラーゲン、エラスチン、線維芽細胞が存在しており、これらがUV-Aのダメージを受けると皮膚がハリや弾力を失ってシワに繋がります。
紫外線は真皮にダメージを与えるだけでなく、皮膚の乾燥も引き起こします。
日焼け止めを塗るなど、日常的に紫外線を浴びない習慣をつけましょう。
活性酸素の発生を抑え、皮膚の酸化を防ぐこともシワやたるみの予防に効果的です。
「ほうれい線」や「マリオネットライン」が気になる人は活性酸素の予防にも気をつけましょう。
活性酸素とは強い酸化力を持った酸素のこと。
体内で細菌やウイルスと戦う免疫機能として働く一方で、過剰に増えると線維芽細胞を傷つけます。
線維芽細胞は皮膚のハリや弾力を保つコラーゲンやエラスチンを生み出す役割を担っており、線維芽細胞の働きが低下することでシワやたるみが引き起こされます。
活性酸素が増える原因としては喫煙、ストレス、過度な運動などがあげられます。
生活習慣の見直しと併せて、食事や化粧品から「抗酸化成分」を取り入れて酸化を抑えることも効果的です。
普段行っているスキンケアでも、口元のシワ対策ができる化粧品を取り入れましょう。
ここではシワやたるみにおすすめの化粧品成分を解説します。
ニールワン:2016年に日本で初めて厚生労働省より「シワを改善する」効能効果の承認を受けた医薬部外品の有効成分。
エラスチンを分解することによりシワを促進してしまう「好中球エラスターゼ」の働きを抑制することで、シワを改善する効果があります。
レチノール:2017年に厚生労働省より「シワを改善する」効能効果の承認を受けた医薬部外品の有効成分。
皮膚のターンオーバーを促進し、また表皮のヒアルロン酸の産生を高めることでシワを改善する効果があります。
ナイアシンアミド:2017年に厚生労働省より「シワを改善する」効能効果の承認を受けた医薬部外品の有効成分。
真皮のコラーゲンの産生を促進することでシワを改善する効果があります。
パルミチン酸レチノール:レチノールの誘導体で、同様に表皮のヒアルロン酸の産生を高める効果があります。 しかし、「シワを改善する」という効果は承認されていません。
レチノイン酸トコフェリル:ビタミンAとビタミンEをくっつけた構造を持つ成分。
ビタミンAのシワ改善効果とビタミンEの抗酸化効果を併せ持っています。
フラーレン:活性酸素など老化の原因となる物質を、取り込んで無害化する効果があります。
他の抗酸化成分よりも長時間効果が持続することが特徴。ビタミンCの100倍以上の抗酸化力があるともいわれています。
ユビキノン:細胞の老化を防ぐ抗加齢作用を持ちます。
紫外線によるシワやくすみ、乾燥による小ジワなどを防止する製品に配合されます。
アスタキサンチン:
サケやエビなどにも含まれる赤色色素「カロテノイド」の一種です。
ビタミンEを上回る高い抗酸化作用があるといわれています。
一度シワが定着してしまうと、完全に消し去るのは難しいもの。日頃から正しく対策することでシワを予防し、若々しい口元を保ちましょう。
年齢を重ねてもハリのあるふっくら肌でいたいものです。
今回の記事を参考に、ぜひお手入れをしてみてくださいね!