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肌のうるおいを保つ成分としてよく知られている「セラミド」。
化粧品として肌の外側から補うのが一般的ですが、実は食べ物として内側からも補うことができるのです。
セラミドを内側から補うことで、肌のうるおいUP、美白効果などが期待できます。白クマ博士とネコ助手がセラミドを食べ物から補う方法について詳しく解説します。
「そもそもセラミドって何?」
そんな疑問をお持ちの方も多いと思います。
セラミドは人間をはじめ、多くの動物、植物の皮膚に存在する成分です。セラミドにはいくつかの働きがありますが、代表的なのがバリア機能の維持です。
バリア機能とは、外側からの異物・刺激をガードし、内側からの水分の蒸発を防ぐ皮膚の重要な機能のことで、健康な肌を保つために欠かせない機能です。
そんなバリア機能は、皮膚の一番表面にある角層というわずか0.02mmの膜によって維持されています。角層は「角層細胞」という平らな形をした細胞がレンガのように積み重なり、その周囲を「細胞間脂質」という柔らかい物質が満たすような構造になっています。
細胞間脂質が角層細胞同士をつなぎとめることで、内側からの水分の蒸発や、外側からの異物の侵入を防いでいるのです。この細胞間脂質のメイン成分がセラミドです。
セラミドの働きによって、うるおいのある、すこやかな肌が維持されているのです。
なお、「セラミド」は1種類の成分を指すものではありません。構造が少しずつ異なる複数のタイプが存在します。
美容成分として有名なセラミド。化粧品としてだけではなく、食べ物からも摂ることができます。
セラミドを食べ物として摂取した場合にどのような効果があるのかについて解説します。
セラミドを摂取すると、肌のうるおいが向上することが知られています。
過去に行われた実験で、トウモロコシ由来のセラミドを被験者に1日1回、3週間摂取させたところ、角層の水分量が上昇したという結果が報告されています。
実験では、1日に摂取するセラミドの量が多かった人ほど角層の水分量が増えました。つまり、セラミドを摂取することにより、たしかに肌のうるおいが向上していたということです。
うるおいは美肌の基本です。肌の水分量が増えることで、表面がなめらかに整い、ハリのある肌へと導かれることが期待されます。
セラミドを摂取することによって、肌のバリア機能が向上したという結果も報告されています。
バリア機能が良好に働くには十分な水分量が欠かせないため、先ほどの肌のうるおいが向上する効果とも密接に関係しています。
バリア機能が良好に働くと、外側からの刺激、花粉、ウイルスなどに抵抗し、自らを守る力が発揮されます。
乾燥しがちな冬や、花粉が多く飛散する春・秋など、肌にとって過酷な状況では、バリア機能が特に重要になります。
最近明らかにされたのが、セラミドによる美白効果です。
植物由来のセラミドを含むカプセルを4週間飲用してもらったところ、肌色が明るくなる効果が確認されました。
同時に、メラニンの増加が抑制されたことも確認されたことから、肌のくすみのもとになるメラニンの増加が抑制されたことで、肌色が明るくなったと考えられます。
肌の外側に使う美白化粧品の場合、シミがある部位だけ、顔だけ、などスポット的な使い方になりがちですが、セラミドを内側から補う場合はより全体的な効果が期待できるというメリットがあります。
セラミドを食べ物から補う場合、どのような食材を選べばよいのでしょうか?セラミドを多く含む食べ物を紹介します。
特にセラミドが多く含まれるのはこんにゃくです。
セラミドを食べ物で摂りたい人は、食生活にこんにゃくを取り入れるのがおすすめです。
また、主食としてよく食べられる白米や小麦にもセラミドは含まれます。普段の食生活でも実はセラミドを補給しているのですね。
セラミドを食べ物から取り入れる際には、どのようなことを意識すべきなのでしょうか?セラミドの性質から、上手な食べ方を解説します。
一部のビタミンなどの栄養素の中には、加熱すると分解してしまい、働きを失ってしまうものがあります。
例えばビタミンCを取り入れようと思うと、ビタミンCを含む食材を生のまま食べることが推奨されています。
これに対してセラミドは熱に比較的安定なので、加熱調理してもOK。働きが失われづらいのが特徴です。
焼き物、煮物、揚げ物など食材ごとに食べやすい方法や調理しやすい方法で取り入れるのが良いでしょう。
食べ物から摂取できるセラミドには大きく分けて植物性と動物性があります。
米や小麦、トウモロコシに含まれるのが植物性セラミド、牛や馬に含まれるのが動物性セラミドです。
セラミドはある1つの成分ではなく、構造によって複数のタイプが存在すると解説しました。植物に含まれるセラミドと動物に含まれるセラミドでは種類が異なります。
美肌のためには両方をバランス良く取り入れることをおすすめします。
セラミドを食べ物から補うにあたって一点、注意することがあります。
それが、「食べ物からたくさんのセラミドを補おう!」と思ってセラミドを含む食べ物ばかりを大量に食べることです。
セラミドは脂質の一種です。さらに、セラミドを含む食べ物には炭水化物も多く含まれる場合があります。
一つの食材ばかりに偏ると栄養バランスが乱れてしまいます。さらに、過剰摂取は肥満や高血圧などの疾患へとつながります。
また、十分な量をすべて食べ物から補うのは実は少し大変です。
セラミドの種類にもよりますが、肌の保湿効果やバリア機能向上効果が確認されているのは、1日0.6mg以上摂取した場合です。
この量をすべて食材から摂ろうとすると、セラミドを多く含む食材であるこんにゃくでさえ約半丁、白米の場合は茶碗約25杯が必要になります。
十分な量を手軽に摂取しようと思ったら、食べ物に加えてセラミドを含むサプリメントも上手に取り入れましょう。
セラミドが不足すると、次のようなことが起こります。
セラミドは皮膚のバリア機能の要となる角層を構成する重要な成分です。
皮膚中のセラミドが不足すると、角層細胞同士のつながりが弱まり皮膚内部からの水分が蒸発しやすくなってしまいます。その結果として、肌の乾燥を招きます。
さらに、角層細胞のつながりが弱まることによって外側からの刺激に抵抗できなくなったり、過剰に反応するようになったりして肌荒れも起こしやすくなります。
アトピー性皮膚炎の場合はもともとバリア機能が弱い傾向にあります。その状況でさらにセラミド不足になると症状が悪化することが懸念されます。
セラミドは体の中で作られる成分ですが、その量が減少する要因があります。どのような要因でセラミドが減少してしまうのでしょうか?
セラミドが減少する大きな要因の一つが加齢です。
セラミドは体内に取り込まれた栄養をもとに体の中で作り出されます。しかし、体内で合成される量は年々減少。皮膚内のセラミドの量は20~30代をピークに減少の一途をたどり、50代では約半分程度になってしまうことが知られています。
年齢を重ねるごとに肌の乾燥を感じやすくなる一因はセラミド量の減少にあります。
実は、日頃の習慣の中にもセラミドの減少に関わっているものがあります。それが洗顔です。
洗顔によって、皮膚内部のセラミドが洗い流されて量が減ってしまうことが知られています。
洗顔後にタオルドライをすると、つっぱり感を覚えることがあるかと思います。これは、洗顔によって皮脂とともにセラミドが洗い流されていることが一因です。
洗浄料による化学的な作用に加えて、物理的な摩擦がかかるとその傾向はより顕著になります。たっぷりの泡でやさしく包み込むように洗うのがポイントです。
また、顔だけでなく体の皮膚でもセラミドの流出は起きています。
入浴中、体を硬いナイロンタオルで洗っているという方も多いのではないでしょうか?
特に入浴中は皮膚が水分を吸ってふやけている状態。いつもより摩擦に弱くなっているため丁寧に扱う必要があるのです。
体を洗うアイテムは柔らかいタオル地のものを選び、強くこすらないように注意しながら洗浄しましょう。
セラミドを食べ物から補う方法や効果について解説しました。
期待できる効果としては肌のうるおい向上、バリア機能の向上、美白作用などがあります。
ただし、効果を実感したいからと言って、必要な量すべてを食べ物で補おうとすると他の成分の過剰摂取になってしまいます。必要に応じてサプリメントなども取り入れて上手に補給するようにしましょう。
美肌の素であるセラミドを内側から補って、うるおいのあるなめらかな肌を手に入れましょう!