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KNOWLEDGE OF SKIN CARE
VOL.
04
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乾燥するのに脂浮きする「混合肌」についての見解

困った肌質 ~乾燥するのに脂浮きする「混合肌」~

洗顔後、少しでも時間が経つと頬を中心に白く粉を吹く、という肌質の方は意外に多いのではないでしょうか。

実は私もそうで、そのために洗顔後は急いで化粧水をつけていました。そして美容液やクリームをたっぷり塗り夜寝るのですが、次の朝起きてみるとTゾーンを中心に皮脂でベタベタになっている・・・にもかかわらず頬などは乾燥気味、という非常に困った肌質をしていました。

当然朝も洗顔し、保湿するのですが、時間とともにまた皮脂が浮いてきます。外出時はあぶらとり紙が手放せませんでした。

この原因は何なのか、いくつもの肌に関する文献を読み、そして色々仮説を立て試していった結果、私なりの解決策、また混合肌の正体が私なりに見えてきたので、それをここにまとめたいと思います。

肌を守るために皮脂は出ている。

皮脂は本来、肌を乾燥から守るために適度に作られ、健康肌であればべたつくこともなく、また乾燥もしません。適度に潤い、なめらかな感触の肌を保っています。
それがべたつくほどの皮脂が出る場合、その肌は何らかの理由により皮脂分泌量のバランスを欠いている状態といえると思います。

ここで取り上げるのは、頬などは乾燥するのにTゾーンのみ脂浮きする、また髪が肌に触れるだけでかゆみが出るような敏感な状態の肌についてです。 それらの肌質を私は「乾燥性脂性肌」「敏感性脂性肌」と呼ぶことにしました。

乾燥肌、敏感肌になってしまう理由

肌には元々アミノ酸を中心としたNMFという天然保湿因子と、肌が作り出す天然の油分である皮脂膜、そして混合肌の一番のポイントとなるセラミドを中心とした細胞間脂質、を作り出す力があり、乾燥や刺激から肌を守る「バリア機能」として働いています。そのためうるおいのあるなめらかな肌を保てるのです。

この中で特にアトピー肌や乾燥肌、敏感肌の方は、健康な肌と比べてセラミドの生産量自体が少ないことがわかってきました。

このセラミドは角質と角質の間の隙間を埋め、角質のはがれを防ぎ水分を抱え込むという働きを担っています。
このセラミドが不足すると角質はめくれ上がり、水分を抱え込めず乾燥し、刺激などに弱い状態、つまり本来肌が持っている「バリア機能」の低下を起こします。

これが乾燥肌、敏感肌の主な原因の1つなのです。

なぜ乾燥肌や敏感肌は皮脂が過剰に出るのか?

これは私の推測になりますが、セラミドが不足し、乾燥してバリア機能が低下すると、肌は乾燥や刺激から自分を守るために過剰に皮脂を分泌するのではないか、と私は考えました。 そして皮脂を分泌する皮脂腺が多いTゾーンを中心にべたつくほどの皮脂が出るのではないか、と仮説を立てたのです。

そう考えると皮脂の過剰分泌はNMFやセラミドで満たされた「バリア機能」が十分機能した状態を作り出すことで解決できるのではないか、との考えに至りました。

肌に必要なNMFやセラミドを増やすには?

いくつかの文献によると、残念ながら肌が持つセラミドなどの生産能力は生まれつき決まっており、その生産力を高める方法は現時点ではない、とのことです。
ということは化粧品でこれらの成分や同等の働きをする成分を補うことが一番現実的な解決方法になります。

また私も後になって気がついたのですが、非常に重要なポイント、それは毎日の「洗顔」によって汚れだけでなく、NMFやセラミドが同時に失われているという、一見見逃しがちな事実でした。

つまり結論を言えば洗顔時には汚れを落としつつ肌の栄養分はできるだけ残す、そして化粧水やクリームで水分や油分を補ってやる、ということになります。

セラミド不足の肌に適した洗顔料は

まずこれらの肌に適さない物としては、中和法などで作られた脱脂力の強い石けん(純石けん)、硫酸系洗浄剤、そして弱酸性ではなく中性からアルカリ性の洗浄剤などで、これらをセラミド不足の肌質の方が使うと肌の栄養分が過剰に奪われ、乾燥やバリア機能の低下を助長してしまいます

そこで私がおすすめする洗顔料は

  • 1 コールドプロセス石けん
  • 2 アミノ酸系やベタイン系、タウリン系、タンパク質系などを使用し、さらに弱酸性に調整された洗顔料。
  • 3 クレイ(ガスールなどのいわゆる粘土)による洗顔。の3つです。

中でもアトピー肌の方や1や2の洗顔料でも洗顔後白く粉を吹いてしまう方などには「クレイ洗顔」をおすすめします。 私も現在は一切界面活性剤は使わず、クレイ(今はナイアードのガスール)で洗顔しています。

界面活性剤ではないので当然泡立ちませんし、石けんのような突っ張るほどの爽快感はありません。 しかし、十分汚れは落ちますし、洗い上がりはしっとり肌がもちもちし、急いで化粧水をつけずとも粉を吹くこともなくなりました。

もちろんアミノ酸系やコールドプロセス石鹸で乾燥しないならそれらでも構いません。

洗顔後のおすすめのケア方法

洗顔後のケアで私がおすすめするのは、界面活性剤の入っていない化粧水とホホバ油やスクワラン等の100%天然スキンケアオイルによる保湿です。肌にやさしいスキンケアを意識することが重要になります。

アトピー肌や乾燥肌、敏感肌の場合はやはりできるだけ界面活性剤(乳化剤)は避けたいところです。 安全性の高い乳化剤ももちろんありますが、肌につけっぱなしになる化粧水やクリームですから何らかの悪影響になっている可能性が捨てきれないのです。
(普通肌の方は特に問題はないと思います)

スキンケアオイルとしておすすめなのは、不純物が少ない、酸化しにくい、肌の刺激になりにくいオイルです。
例えば悪者にされることも多い鉱物油(炭化水素)であるワセリンやミネラルオイルは酸化しにくくまた不純物が非常に少ない、実際は安全性の高いオイルです。アトピー性皮膚炎の乾燥肌保護にワセリンがよく使われます。これらは肌への浸透性がないので刺激になりにくく、肌を保護する意味では非常に有用です。

私が敏感肌の方におすすめするオイルは、天然オイルであるスクワランとホホバ油です。この2つはロウや炭化水素に分類される油分で、肌なじみがよくベタつきにくく、使用感触に優れたオイルです。鉱物油はとても油性感が強くベタつき、ヌルつきますが、この2つはさっぱりとしています。 のびもよくやさしい使い心地で、肌を保護ししっとりと保ってくれます。


私自身が試した結果

私はこれらのスキンケアを続けたところ、驚くくらいにTゾーンの脂浮きが改善されました。

朝起きたときに全く脂が浮いていないときはちょっと感動すら覚えました。やはり今までは肌の栄養分まで洗い流していたんだなと、実感できました。

クレイ洗顔も慣れるまではちょっと苦労しますが、慣れれば手際よく洗うことができます。

やり方としては、適度な大きさの容器にクレイを入れ、ぬるま湯を少しずつ加えながらマヨネーズくらいの堅さになるまでよく混ぜます。
そしてペースト状になったクレイを指の腹で優しく肌にまんべんなく伸ばします。
全体に行き渡ったら少し時間を置いてもいいですし、すぐに洗い流しても大丈夫です。
何度かやれば、自分に合った使用量なども感覚で分かるようになるでしょう。

お化粧(メイク)の壁

今まで述べてきたスキンケア方法は、お化粧をしない男性ならばすぐに実行できるでしょう。

では毎日のようにお化粧する女性はどうなんだ、となりますよね。

ここなのですが、残念ながら私は完璧な答えは導き出せていません。 どうしてもクレンジングという作業がありますので、クレンジング剤の使用が必要不可欠です。

今のところ言えることは、なるべく落としやすいメイクにし、メイクを落とす力は弱くともできるだけ肌にやさしいクレンジング剤を使う、ということになります。

クレイ洗顔や混合肌スキンケアはまだまだ改善点や疑問点あり

やはりクレイ洗顔を毎日1日2回、実践するのは思ったより骨が折れます。
クレイの使用量や加える水の量に気を遣うのです。これらをもっと機械的に安定して実践できる方法はないかと思案しています。

また、混合肌スキンケアについても、なぜ皮脂が浮くのか、乾燥するのか、敏感なのかは人それぞれの所もあり、この商品を使えば美肌になれる、というスキンケア化粧品は残念ながら存在しないようです。

アトピー肌やすぐに荒れてしまう方などの悩みはつきないと思います。私店長としても、今後もこれらの難問について色々な面から答えを探したいと思います。

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