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冬になると背中がカサカサして、かゆくなることはありませんか?
乾燥がひどいと粉を吹いた状態になって、つらいものですよね。
この記事では背中が乾燥する原因や、粉吹き対策について解説します。
冬は全身の肌が乾燥しやすい時期ですが、今回は特に背中の乾燥に着目します。
顔のスキンケアはするけれど、背中は特に何もしていないという人も多いのではないでしょうか?
実は背中は顔と同じように、乾燥しやすい部位の一つです。まずは背中が乾燥する原因について解説します。
皮脂腺とは皮膚に存在する脂質である、皮脂を分泌する器官のことをいいます。
皮脂は汗と混ざり合い、天然の保湿クリームのような役割で皮膚を保護して乾燥を防いでいます。
皮脂腺は全身に分布していて、その数は多い部位から順に頭→顔→胸→背中→腕・脚となっています。
背中は顔よりも皮脂腺が少ない部位です。一方、体の中で面積が広い部位でもあります。
広い面積を少ない皮脂で保護しなくてはならないので、そもそも乾燥しやすい部位なのです。
皮膚が乾燥するとかゆみを引き起こしたり、皮膚表面の角質が剥がれて粉吹きの状態になったりします。
入浴時に気持ちが良いからといって、硬いタオルで背中をゴシゴシと擦ってはいませんか?
過剰な摩擦は皮膚のバリア機能を壊し、乾燥を引き起こします。
バリア機能とは皮膚を外部刺激から守ったり、皮膚内の水分を適切に保ったりする機能のこと。
入浴時、水分を含んで柔らかくなった皮膚は、ただでさえ摩擦に弱くなっています。
その状態の皮膚にゴシゴシと摩擦を加えるとキメが乱れバリア機能が壊されて、乾燥やかゆみといった症状に繋がってしまうのです。
また洗浄力が強すぎるボディソープなどの使用は、天然の保湿クリームの役割をする皮脂を洗い流してしまいます。
皮脂が必要以上に失われると、皮膚は水分を保つのが難しくなり乾燥しやすい状態になります。
もともとの乾燥しやすさに加えて、冬場はさらに背中が乾燥しやすい原因が多くなります。
冬になって気温が低くなると、湿度が下がって空気が乾燥します。
また寒い季節は暖房をつけることも多いため、室内室外のどちらにいても皮膚は乾燥した空気に晒されることになります。
乾燥した空気の中では皮膚内の水分は蒸発しやすくなり、皮膚の乾燥を招きます。
また、冬は皮脂の分泌量が減少しやすい季節でもあります。
気温が低いため汗をかくことも少なくなり、汗と皮脂が混ざってできる皮脂膜の産生も弱まります。
天然の保湿クリームである皮脂膜が十分に作られないと、皮膚は水分を保つのが難しくなり乾燥しやすい状態になります。
寒くなると冷えた体を温めようと、ついつい熱いお湯に長時間浸かりがち。
温度の高すぎるお湯は必要以上に皮脂を流してしまうため、皮膚の乾燥を引き起こします。
熱いお湯での入浴は皮脂だけでなく、皮膚本来の保湿成分も流してしまいます。
皮膚のバリア機能は「皮脂膜」のほかに、「天然保湿因子」と「細胞間脂質」といった3つの要素で構成されています。
天然保湿因子には皮膚表面の水分を保持する役割があります。細胞間脂質には角質細胞同士を接着させ、水分や物質の浸透を防ぐ役割があります。
この皮膚本来の保湿成分が失われると、バリア機能の低下に繋がります。
バリア機能が低下した皮膚は乾燥だけでなく、同時にかゆみも引き起こしやすくなるのです。
身に着けている衣類がチクチクと刺激になることはありませんか?
衣類による摩擦や素材による刺激でも、皮膚はかゆみを感じます。
また、空気が乾燥している冬場は静電気が発生しやすくなります。
静電気も皮膚が刺激やかゆみを感じる原因の一つ。
かゆいからといってむやみに背中を掻いてしまうと、皮膚のキメが乱れてバリア機能の低下を引き起こします。
バリア機能の低下から乾燥が起こる→乾燥からかゆみが起こる→背中を掻くことでまたバリア機能の低下が起こる…と負のスパイラルに陥ってしまいます。
背中の乾燥やかゆみ対策の前に、皮膚ではどんなことが起こっているのかを解説します。
健康な皮膚と乾燥した皮膚を比較して、違いを見てみましょう。
健康な状態の皮膚は、皮膚表面の細胞である角質層がレンガのように積み重なっています。
この角質層に天然の保湿クリームである皮脂膜が加わり、皮膚を外部刺激から守り、皮膚内の水分蒸発を防いでいます。
これが皮膚のバリア機能の働きです。
しかし何らかの理由でバリア機能が低下すると、レンガ状の角質層が乱れて隙間ができてしまいます。
この状態では内部から水分がどんどん失われていき、皮膚の乾燥が進みます。またちょっとした刺激でかゆみを引き起こしたりもします。
乾燥していると皮膚が粉を吹いた状態になることがありますが、この粉の正体は剥がれた角質層。
この状態の皮膚はバリア機能がとても弱くなっているので、適切にケアすることが大切です。
背中が乾燥してかゆみが起こっている時、皮膚はバリア機能が低下した状態だと解説しました。
ここでは背中の乾燥やかゆみに対する、具体的な対策方法を見てみましょう。
洗顔したあとにスキンケアをするように、背中にも保湿ケアをしましょう。
特に入浴後は、皮脂膜など皮膚本来の保湿成分が流されてとても乾燥しやすくなっています。
後回しにせずになるべく早く保湿ケアをすることで、ふやけてバリア機能が弱まった状態の皮膚を保護してあげましょう。
乾燥だけでなく皮膚のかゆみも気になる人には、保湿成分に加えてかゆみを抑えてくれる「抗炎症成分」が入ったものがおすすめです。
保湿アイテムの形状はクリームなどお好みのもので構いませんが、おすすめはスプレータイプのもの。
手が届きにくい背中にも全体に行き渡らせやすく、簡単に保湿できるので習慣にしやすいです。
逆さにしてもスプレーできるタイプのものだとより使い勝手が良いですよ。
保湿効果のある入浴剤を使うと、お湯に浸かるだけで全身を簡単にケアできるのでこちらもおすすめです。
入浴の仕方を工夫することで、皮膚の乾燥を予防しましょう。
体を洗う時は、手で洗うと摩擦を抑えることができます。洗浄料を泡立ててなでるように洗うだけでも、日常の汚れならば十分に落とすことができます。
皮膚のバリア機能を乱さないように優しく洗いましょう。
泡立てるのが面倒という人には、ポンプタイプの泡で出てくる洗浄料がおすすめです。
また使用するお湯の温度は高すぎない温度に設定しましょう。
熱すぎるお湯は皮膚に必要な皮脂まで流して、乾燥しやすい状態を引き起こします。
40度を超えない温度を目安に入浴すると良いでしょう。
洗い過ぎが原因の乾燥には、肌に優しい洗浄料の使用が効果的です。
洗浄力の強すぎるもので体を洗うと、熱いお湯と同様に、皮膚に必要な皮脂まで洗い流してしまいます。
入浴後の保湿ケアも大切ですが、そもそも必要な皮脂や皮膚本来の保湿成分を流してしまわないことの方が効果的です。
一般的には「せっけん系」の洗浄料は洗浄力が高く、「アミノ酸系」の洗浄料は洗浄力が穏やかなものが多くあります。
洗浄料選びには、後で解説するおすすめ成分も参考にしてみてくださいね。
皮膚に触れることの多い衣類は、刺激の少ないものを選びましょう。
ゴワゴワ硬いものやチクチクするものは皮膚への摩擦や刺激になり、乾燥やかゆみの原因になります。
おすすめの素材はコットンやシルクなどの天然素材。どちらも肌あたりが優しく、摩擦になりにくいといった特徴があります。
化学繊維はシワになりにくいといったメリットもありますが、静電気を起こしやすく皮膚への負担となってしまいます。
肌に直接触れる肌着には、天然素材のものを選ぶのが良いでしょう。
またチクチクと皮膚の刺激になりやすいタグを、生地に直接プリントすることでなくしている衣類もあります。
商品選びの際にはそういったところも気にしてみるといいでしょう。
ここでは保湿ケアにおすすめの化粧品成分を解説します。
保湿アイテム選びの参考にしてみてくださいね。
皮膚の乾燥には「保湿成分」がおすすめです。
保湿成分として特におすすめなのが「セラミド」です。低下したバリア機能を改善し、乾燥や肌荒れを予防する効果が期待できます。
皮膚の乾燥によるかゆみには「抗炎症成分」がおすすめです。
洗い過ぎによる皮膚の乾燥には、洗い上がりの優しい「洗浄成分」がおすすめです。
冬になると全身が乾燥しやすいものですが、背中の皮膚は特に乾燥やかゆみが起こりやすい部位です。
乾燥が進んで粉吹きが起こらないように、適切な対策で予防しましょう。
大切なのは皮膚のバリア機能を壊さないこと。今回解説した方法でぜひ今日から取り組んでみてください。
顔と同じように背中もケアをして、健康な皮膚を手に入れてくださいね!