- #肌トラブル
- #お肌の知識
- #乾燥肌
「肌が乾燥してかゆい…」「冬は肌荒れが起こりやすい…」
一年のうちで最も空気が乾燥する冬は、肌の不調を感じる人も多いのではないでしょうか?
この記事では、冬に肌が乾燥して肌荒れやかゆみが起こりやすい原因や、スキンケアでの対策方法を詳しく解説します。
寒さが厳しくなる冬の季節。肌は一体どんな状態になるのでしょうか?
冬になると、私たちの肌には一体どんな変化が起こるのでしょうか?
まずは、冬と肌の関係について見てみましょう。
冬は気温が下がるだけでなく、同時に湿度も低くなります。
空気には、含むことのできる水分量が気温によって変化する、という特徴があります。
暖かい空気はたくさんの水分を含むことができますが、冷たい空気では含むことのできる水分量が減ってしまうのです。
そのため、気温が低い冬は湿度も低くなり、空気の乾燥に繋がります。
人間が快適に過ごせる湿度は、40%~60%といわれています。
湿度が40%を下回ることもある冬は、私たちの肌にとって乾燥というダメージを与えることになるのです。
【出典】冬のカラダは水分不足|大塚製薬 (otsuka.co.jp)
冬になると現れやすい肌の悩みには、下記のようなものがあります。
これらの肌悩みは、乾燥肌が大きな原因になっています。
そもそも乾燥肌とは、どういった状態のことを指すのか知っていますか?
乾燥肌とは、一般的な肌に比べて皮脂の分泌量が少なく、角質層の水分量が低下している状態のこと。
健康的な肌の場合、油分である皮脂が適度に分泌されることで、うるおいを保っているのです。
しかし季節の変化などの影響を受けて皮脂や角質層の水分量が低下すると、肌は乾燥に傾き、外部からの刺激を受けやすい状態になってしまいます。
乾燥肌に見られる特徴には、下記のようなものがあります。
冬の肌の乾燥と、肌荒れやかゆみには、一体どんな関係があるのでしょうか?ポイントは「肌のバリア機能」です。
肌荒れやかゆみが引き起こされる原因の一つに、冬の乾燥肌が関わっていることがわかりました。
ここでは、乾燥肌がなぜ肌荒れやかゆみに繋がっていくのかを、詳しく見てみましょう。
肌荒れやかゆみが起こる原因には、肌のバリア機能低下が関わっています。
バリア機能とは肌を外部刺激から守ったり、肌内部の水分を適切に保ったりする機能のこと。
バリア機能が正常に働いている健康な肌には、冬の空気の乾燥から肌を守ったり、肌の中の水分を蒸発しにくくしたりする力があります。
このバリア機能の働きを低下させる原因となるのが、肌の乾燥なのです。バリア機能が低下した肌は、刺激や乾燥に弱い敏感な状態。
肌の内部で炎症が起こり、それが肌荒れやかゆみとして現れます。
バリア機能が低下した肌では、知覚神経がより肌の表面に近い所まで伸びてくることがあります。
肌のバリア機能が低下すると、外部から異物の侵入がしやすくなるため、より早く肌を守ろうと過敏になるのです。
その結果、肌の危険を察知する力が高まるために、日常のちょっとした刺激でも赤くなったり、かゆみを引き起こしたりしてしまいます。
かゆみを収めるために、つい掻いたり擦ったりしたくなってしまうと思いますが、これは肌にとっては逆効果。
刺激がさらなるかゆみの原因となったり、肌が傷ついてバリア機能の低下に繋がったりして、より一層かゆみを感じやすい肌になってしまうのです。
バリア機能が低下する原因には、以下のようなものが挙げられます。
このように様々な要因によって、肌のバリア機能は影響を受けます。
特に肌の乾燥は、肌の乾燥が原因でバリア機能が低下する→バリア機能が低下すると肌が乾燥する、といった負のループに陥りがち。
湿度の低い冬は特に注意が必要です。
冬に肌が乾燥しやすくなる原因は、実は気温や湿度の低下だけではありません。
冬になると肌の渇きを感じやすくなる原因は、空気の乾燥以外にもいくつかあります。
ここでは、冬ならではの乾燥肌の原因を見てみましょう。
上記でもお伝えしましたが、気温や湿度の低下は肌が乾燥する大きな原因の一つ。
空気が乾燥していると、肌の水分が蒸発しやすくなってしまいます。乾いた空気は、私たちの肌にとってダメージに繋がるのです。
寒い季節はストーブやエアコンなどの暖房をつけることも多いため、肌は室内にいても乾燥した空気に晒されることになります。
乾燥した空気の中では肌内部の水分は蒸発しやすくなり、肌の乾燥を招きます。
特に日頃から長時間過ごす場所がエアコンの風が当たるような配置なら、注意が必要です。
気温が低くなる冬には、寒さで体が冷えることも乾燥肌の原因の一つです。
体の冷えから血行不良になると、肌のターンオーバーが滞ります。ターンオーバーとは、新陳代謝によって行われる肌の生まれ変わりのサイクルのこと。
ターンオーバーが滞ると肌のバリア機能の低下に繋がり、乾燥肌を引き起こします。
冬は皮脂の分泌量が減りやすくなる季節でもあります。
気温の低さから汗をかく機会が減ると、汗と皮脂が混じってできる皮脂膜も作られにくくなることに。
天然の保湿クリームである皮脂膜が十分に作られないと、肌は水分を保つのが難しくなり、乾燥しやすい状態になります。
寒くなると冷えた体を温めようと、ついつい熱いお湯に長時間浸かりがち。
温度の高すぎるお湯は必要以上に皮脂を流してしまうため、肌の乾燥を引き起こします。
熱いお湯での入浴は皮脂だけでなく、肌に本来必要な保湿成分も流してしまいます。
この肌本来の保湿成分が失われると、乾燥肌の原因になるのです。
冬は寒いからといって、日焼け止めを使うことなく日中を過ごしてはいませんか?
夏に比べて日差しが弱まる冬でも、紫外線量がゼロになることはありません。日焼けをした肌は水分を保ちにくくなり、乾燥を招くことがわかっています。
また紫外線によるダメージは、バリア機能の低下までも引き起こします。
意外かもしれませんが、紫外線のダメージは夏だけでなく、冬の乾燥肌の原因にもなるのです。
冬の乾燥肌を予防するためには、どんな方法があるのでしょうか?効果的な対策を見てみましょう。
冬の乾燥肌対策には、外側と内側両方から対策することが大切です。
ここでは、生活習慣を見直すことでできる対策について解説します。
冬の空気の乾燥に加え、暖房を使用する室内ではさらに湿度が低下します。
空気の乾燥対策には、加湿器などを使って湿度を適度に保つように工夫しましょう。
加湿器の他にも、洗濯物を干したり、濡れたタオルをかけたりしても効果が期待できます。
加湿のし過ぎは結露やカビなどの原因となるため、60%程度を目安に湿度を保つといいでしょう。
冬の気温低下から起こる冷え対策には、運動による血行促進がおすすめです。
日頃から運動をする習慣があると、血液の巡りが良くなることで、肌のターンオーバーが促されます。
サイクルが整ったターンオーバーは、正常なバリア機能の働きには欠かせません。
また適度に汗をかくことで、皮脂と汗が混じり、肌の天然の保湿クリームである皮脂膜を作り出すことにも役立ちます。
入浴や洗顔をする時など、使用するお湯の温度は高すぎないように気をつけましょう。
熱すぎるお湯は肌に必要な皮脂まで流して、乾燥しやすい状態を引き起こしてしまいます。
温度は40度以下を目安に、ぬるま湯を使用すると良いでしょう。
また、長くお湯につかることも皮脂を流してしまう原因になるため、乾燥肌対策には長湯は禁物です。
冬の乾燥肌対策として、水を飲むことはおすすめの方法の一つ。こまめな水分補給は、肌の水分量を内側から高めてくれる効果があります。
それだけでなく、水分補給には血行を促進することにより肌のターンオーバーを高めたり、体内にある老廃物の排出を促したりする効果があるのです。
厚生労働省では、一日に飲み水で摂るべき水分量を1.2ℓと推奨しています。コップ一杯程度の水分を数回に分けて飲むことで、効果的に体に吸収させることができます。
【出典】「健康のため水を飲もう」推進運動 (mhlw.go.jp)
日焼けをしないように、一年中紫外線対策をしましょう。
夏と同じように、冬でも日焼け止めを正しく塗ることが望ましいです。
バリア機能が低下して敏感な状態の肌には、「酸化チタン」や「酸化亜鉛」といった、紫外線散乱剤が主成分の日焼け止めが刺激になりにくくおすすめです。
次は、スキンケアでの肌荒れやかゆみ対策について見てみましょう。
冬の肌の乾燥、かゆみや肌荒れ対策には、正しいスキンケアは欠かせません。
ここでは、効果的なスキンケアでの対策方法について解説します。
洗顔などの洗うケアでは、肌本来の保湿成分を適度に残すことが大切です。
洗い過ぎが原因の乾燥には、優しい洗浄料の使用が効果的。洗浄力の強すぎるもので体を洗うと、肌に必要な皮脂まで洗い流してしまいます。
洗顔後や入浴後の保湿ケアも大切ですが、必要な皮脂や肌本来の保湿成分を流してしまわないことが大切です。
一般的には「アミノ酸系」の洗浄料は洗浄力が穏やかなものが多くあります。
洗うケアで肌の汚れを落としたら、次は化粧水で肌の水分を補給しましょう。
化粧水には、できるだけ長い時間、肌の上に水分が留まっておけるように保湿剤が一緒に入って います。
水分を抱え込む働きをする成分が入っているアイテムがおすすめです。
また化粧水には、乾いた肌を柔らかくほぐしてくれる効果があります。
化粧水に含まれる水分や保湿成分が、後に使うスキンケアアイテムをなじみやすくしてくれます。
日中の乾燥対策として、ミスト化粧水を使用するのも効果的です。メイクの上からでも簡単にうるおい補給ができます。
化粧水をなじませた後は、与えたうるおいを保つため、乳液やクリームで蓋をしましょう。化粧水で補った水分が蒸発してしまうのを防ぎます。
乳液とクリーム、どちらも油分が配合されたアイテムですが、肌荒れやかゆみが気になる肌にはクリームがおすすめ。
乳液よりもクリームの方が、より多くの油分が含まれるため、水分を保持する力が高くなります。
またクリームは、バリア機能が低下した肌の保護としても効果的です。
クリーム選びには、後で解説するおすすめ成分も参考にしてみてくださいね。
スキンケアでの対策をさらに効果的にするために、配合されている成分にも着目してみましょう。
ここでは冬の肌の乾燥だけでなく、肌荒れかゆみ対策にもおすすめの化粧品成分を解説します。
洗い過ぎによる肌の乾燥には、洗い上がりの優しい「洗浄成分」がおすすめです。
「ラウレス硫酸Na」などの硫酸系洗浄料や「石けん」などの洗浄成分は、洗浄力が強く肌の負担になることもあります。
水分不足による肌の乾燥には、「保湿成分」がおすすめです。
保湿成分として特におすすめなのが「セラミド」です。
低下したバリア機能を改善し、乾燥や肌荒れを予防する効果が期待できます。
肌の炎症から起こる肌荒れやかゆみを抑えるには、「抗炎症成分」がおすすめです。
バリア機能が低下した状態の肌には、肌を保護する効果の高い「油性成分」がおすすめです。
水分となじみにくい特徴があるため、これらの油性成分が多く配合されたクリームなどは、スキンケアの最後に重ねましょう。
この記事では、冬の肌に起こりやすい、乾燥から起こる肌荒れやかゆみについて解説しました。
冬になると気温や湿度が下がることから、肌のバリア機能の働きが低下しがちです。
生活習慣を見直したり、効果的なスキンケアで対策したりすることで、冬も健康で美しい肌を維持しましょう。
何から始めればいいのか迷った時は、ぜひ今回ご紹介したクリームから取り入れてみてくださいね!