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KNOWLEDGE OF SKIN CARE
VOL.
59
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顔脂(顔の油)がすごくていつも顔が油っぽい!原因と抑える方法

顔を触るといつもベタベタしている、化粧がすぐ崩れるなど、「顔の脂っぽさ」に悩んでいる人は多いです。

特に、気温が高い春、夏は悩みの声が多く聞かれます。

今回は顔が脂っぽくなる原因と抑える方法について白クマ博士とネコ助手が解説するのでぜひ参考にしてください。

そもそも皮脂とは?役割と働きを知ろう

健康な皮膚のイラスト

肌トラブルの原因になったり化粧崩れをしやすくなったり…何かと悪く思われがちな皮脂ですが、実は肌にとって重要な役割を果たしています。

正しく対策するためにも、まずは皮脂が肌の上でどんな働きをしているのかを知りましょう。

皮脂の役割は保護機能・保湿機能・抗菌機能と大きく分けて3つあります。
一つずつ解説していきます。

肌を守る!「保護機能」

皮脂は、毛穴の中にある皮脂腺という器官から分泌されます。皮脂腺から分泌された皮脂は汗と混ざり合い、肌の表面に薄い膜を作ります。これを「皮脂膜」といいます。

皮脂膜には外的刺激から皮膚を保護する効果があり、この保護機能が低下してしまうと空気の乾燥や汚れ、摩擦、紫外線などの影響を受けやすい状態になってしまうのです。

肌のうるおいを保つ!「保湿機能」

肌の表面を覆う皮脂膜は皮膚から水分が蒸発するのを防いでくれます。
皮膚になめらかさやうるおいを与えて、柔軟に保つ働きをしています。

加齢などで皮脂の分泌量が少なくなると皮膚の水分を維持することが難しくなり、乾燥に繋がってしまいます。

菌の繁殖を防ぐ!「抗菌機能」

皮脂膜には肌を弱酸性に保つ役割があります。細菌や雑菌は、酸性の環境に弱いため皮脂膜が作る弱酸性の環境によって繁殖が防がれています。

さらに皮脂には抗菌作用を発揮する物質も含まれているため、弱酸性の環境とあわせてダブルで抗菌機能を発揮しています。

このように、皮脂には健康的な肌を維持する役割があります。しかし、何らかの要因によって皮脂が過剰に分泌されると、肌トラブルを引き起こすきっかけになることがあります。

いくつ当てはまる?皮脂が過剰になる原因

あぶらとり紙でおでこの脂を取る女性

皮脂が過剰になる原因は、スキンケア、食事、睡眠などさまざまな場面に隠れています。何気ない習慣や環境が皮脂の過剰な分泌に繋がっていることも。

思い当たる項目がないか確認してみましょう。

皮脂を取り過ぎている

脂っぽい肌をどうにかしようと一日に何度も顔を洗ったり、あぶらとり紙を使い過ぎたりしていませんか?

古くなった皮脂は肌トラブルの原因になるので、適度に落として肌を清潔に保つことは大切です。

しかし洗浄力の強い洗顔料や熱いお湯で顔を洗っているという人は、本来肌に必要な皮脂まで落としてしまっているかもしれません。

皮脂を取り過ぎてしまうと、乾燥を察知した肌が皮脂を過剰に分泌し、かえって脂っぽい状態に。皮脂の働きでもお伝えしたように健康な肌にはある程度の脂分が必要です。

スキンケアでの保湿不足

「べたつくのが苦手だから」と乳液やクリームを使うのを控えていませんか?

スキンケアで水分だけでなく適度な油分を補うことは、過剰な皮脂分泌のコントロールに繋がります。

「自分はオイリー肌だから」と感じている人の中には、乾燥が原因で皮脂量が増えてしまっている場合が意外にも多いのです。

偏った食生活

皮脂の分泌量は食生活からも大きく影響を受けます
これらは皮脂の分泌を増やすといわれている食品の一例です。取り過ぎにならないように注意しましょう。

  • 揚げ物やスナック菓子などの脂質が多いもの
  • 甘いお菓子やジュースなどの糖質が多いもの
  • アルコール
  • カレーやトウガラシなどの刺激物

脂質や糖質は、体の中でエネルギーに変換されるときに多くの栄養素が消費され、特にビタミンB群が不足することがあります。

ビタミンB群には皮脂分泌を抑える働きがあるため、不足すると皮脂の過剰分泌を招いてしまうのです。アルコールにも同様の作用があります。

トウガラシなどの刺激物は胃腸に負担がかかり、ビタミンB群を含む栄養素の吸収を妨げてしまう可能性があります。

ストレス

ストレスを抱える女性

ストレスも皮脂の分泌に関係があることがわかっています。

ストレスを感じると緊張状態を司る交感神経が刺激され、コルチゾールというホルモンが分泌されてしまいます。
コルチゾールには皮脂の分泌を活発にする作用があるため、顔の脂っぽさを悪化させてしまう原因になります。

対人ストレスの影響で頬の皮脂分泌量が約1.7倍に増加したという報告もあります。

またストレスによる睡眠不足や不規則な生活リズムも、皮脂が過剰に分泌される原因になります。
意識的に休息をとり、ストレスが軽減するような生活を心がけることが望ましいでしょう。

睡眠不足

緊張状態を司る交感神経と、リラックス状態を司る副交感神経は「シーソー」のような関係にあります。
つまり、どちらかが優位になるとどちらかは沈静化されます。

睡眠中にはリラックス状態を司る副交感神経が優位になり、緊張状態を司る交感神経が沈静化されます。その結果、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が抑制されます。

しかし睡眠不足の状態が続くと、今度は交感神経が優位になり、コルチゾールの分泌が促進されるために皮脂の分泌量が増えることになります。

睡眠中は、肌の生まれ変わりも活発になります。夜更かしは控えて十分な睡眠をとることが美肌づくりの近道になります。

紫外線

紫外線の刺激が皮脂の分泌を増加させることがあります。

紫外線から肌を守るには、日焼け止めが有効です。

肌のべたつきが気になるからといって、日焼け止めを塗らずにいるのはかえって皮脂量を増やしてしまう原因になります。

また紫外線の影響で肌のバリア機能が低下すると、肌内部の水分を維持することが難しくなり乾燥を招きます。

乾燥を察知した肌がうるおいを取り戻そうとして皮脂を過剰に分泌し、顔が脂っぽくなります。そのため、紫外線対策は一年中行うことをおすすめします。

ホルモンバランス

鏡で自分の肌を確認する男性

皮脂の分泌量はホルモンバランスの変化にも深く関係しています。

男性ホルモンであるテストステロンは量の違いはあれ男女ともに分泌されていて、このテストステロンが増加することで皮脂の分泌も促されます。

テストステロンは男女ともに思春期から20代にかけて多く分泌されます。そのため、中高生や大学生は顔の脂っぽさやニキビに悩まされる事が多いのです。

また女性ホルモンであるプロゲステロン(黄体ホルモン)も男性ホルモンと似た働きをするため、皮脂の分泌に影響します。

プロゲステロンは女性の生理前に分泌量が増加しやすい特徴があります。生理前になると顔のベタつきが気になったり、肌が荒れたりするのはこのためです。

季節の変化

春から夏にかけて「顔の脂っぽさが気になる」という人は多いと思います。
これは皮脂の分泌量が気温によって変化するため。

気温が高い春や夏は皮脂の分泌が多くなり、反対に気温が低い秋や冬は皮脂の分泌が少なくなります。
皮脂が最も少ない冬の時期に比べて、最も多い夏は約1.4~2倍ほど量が増えると言われています。

特に汗をかくことが多くなる夏場は、気温の高さで柔らかくなった皮脂が汗と一緒に流れ 出るためよりべたつきを感じやすくなります。

過剰な皮脂が原因で起こる肌トラブル

肌トラブルで困った女性

肌を健やかに保つためには欠かすことのできない皮脂ですが、必要以上に分泌されると肌トラブルの原因にもなります。
ここでは多すぎる皮脂がどのような肌トラブルを引き起こすのかを見てみましょう。

テカリ

混合肌の解説画像

皮脂量が多くなると顔が脂っぽくなりテカリやすくなります。

皮脂を生み出す器官である皮脂腺は体の中心に集まっているため、顔では特にTゾーン(おでこ・鼻)がテカリやすい傾向にあります。

ほどよい量の皮脂は肌をつやっぽく見せてくれますが、過剰な皮脂は化粧崩れの原因にもなるため悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

毛穴の詰まり

テカリと同じくTゾーンで起こりやすいのが毛穴の詰まり

過剰な皮脂と古くなってはがれた角質が混ざり合って「角栓」となり、毛穴に詰まっている状態です。

この角栓を放置して時間が経つと、酸化されて黒ずみに発展してしまいます。

ニキビ

皮脂が過剰に分泌され毛穴が角栓で詰まると、本来肌の表面に広がっていくはずの皮脂が外に出られなくなってしまいます。

この毛穴につまった皮脂を栄養に皮膚常在菌である「アクネ菌」が増殖し、毛穴の中で炎症を起こしてニキビになります。

くすみ

朝きれいにメイクをしたはずが、夕方になって鏡を見ると「なんだかくすんでいる…」と感じたことはありませんか?

このくすみの原因は皮脂の酸化によるもの。
過剰に分泌された皮脂と肌に重ねた化粧品の油分が混ざり合い酸化すると、肌のトーンが暗くなり、くすんだ印象になってしまうのです。

脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎とは、過剰な皮脂分泌が原因で起こる皮膚の湿疹です。

脂漏性皮膚炎の原因と考えられている「マラセチア菌」は皮膚常在菌の一種で、過剰な皮脂を栄養に異常に増殖して皮膚への炎症を引き起こします。

脂漏性皮膚炎になると、赤み、かゆみ、皮がむけるなどの症状が発生。かゆいからと言って爪でひっかいてしまうと皮膚の構造が壊れてバリア機能が低下し、症状を悪化させてしまうことがあるため注意が必要です。

頭皮や顔など皮脂の分泌が盛んな箇所にできやすい特徴があります。脂漏性皮膚炎はやっかいな皮膚病のため、早めの皮膚科受診をお勧めします。

過剰な皮脂を抑えるスキンケアのポイント

笑顔でスキンケアをする女性

皮脂が過剰になる原因として、スキンケアが正しく行われていないことが多いです。

過剰な皮脂分泌は毎日のスキンケアで予防することができます。
ここでは顔の脂を抑える具体的なスキンケア方法について解説します。

洗顔

洗顔する男性

肌の脂っぽさをなんとかしようと洗い過ぎてはいませんか?
肌を清潔に保つことは大切ですが、適度な脂分が肌には必要という事を忘れないようにしましょう。

正しいスキンケア方法としては、適度な洗浄力の洗顔料で朝・夜の2回洗顔を行うことです。このとき、たっぷりと泡立てて、なるべく肌に摩擦がかからないように注意します。そして、すすぐときはぬるめのお湯(人肌程度)を使うようにします。

以下は洗顔で気をつけるべきNG行動です。
思い当たることがないかチェックしてみてください。

  • 一日3回以上洗顔する
  • 洗浄力の強い洗浄料を使う
  • ごしごしと肌をこすっている
  • 熱いお湯ですすいでいる

保湿

化粧品のクリームを手に取る

余分な皮脂を取り除いたら次は適切に保湿をしましょう。ポイントは「水分と油分をバランスよく補う」こと。

まずは十分な量の化粧水で水分を補いましょう。
水分の不足から肌を守ろうと皮脂の過剰分泌が起こっているケースが多くあります。化粧水は2度付けがおすすめです。

化粧水だけでは水分を肌にとどめておくことが難しいため、乳液やクリームなどのアイテムも一緒に使いましょう。

以下は保湿で気をつけるべきNG行動です。
思い当たることがないかチェックしてみてください。

  • 洗顔後すぐに保湿をしていない
  • 保湿を化粧水だけで済ませている
  • 化粧水や乳液の使用量が少ない
  • シートマスクの使用時間が過ぎてもつけたままでいる

乳液やクリームは、使い始めはべたつきが気になるかもしれませんが、まずは少量から試したり軽いテクスチャーのものから試してみたりして保湿方法を工夫してみてくださいね。

紫外線対策

腕に日焼け止めを塗る女性

洗顔と保湿が適切にできたら、朝は日焼け止めを使って紫外線対策をしましょう。

紫外線を浴びることで皮膚が刺激を受け、皮脂分泌が増加することがあります。
さらに紫外線は皮脂の過剰分泌だけでなく、シミやシワなどさまざまな肌トラブルの原因になることがわかっています。

肌を健康に保つためには欠かせないスキンケアの一つです。

以下は日焼け止めの使用方法で気をつけるべきNG行動です。
思い当たることがないかチェックしてみてください。

  • 日焼け止めの使用量が少ない
  • 日焼け止めを塗り直していない
  • 室内にいる時は日焼け止めを使っていない

皮脂を抑える化粧品は?おすすめ成分

適切なスキンケアだけでも過剰な皮脂の抑制には十分効果的ですが、さらに効果を高めるために皮脂のコントロールに有効な成分を取り入れましょう。

ここでは過剰な皮脂分泌の抑制におすすめの成分を解説します。
ぜひ化粧品選びの参考にお役立てくださいね。

  • ライスパワーNO.6

    皮脂腺の働きを抑制して皮脂分泌を抑える作用があります。医薬部外品の有効成分として厚生労働省に認められている成分です。

  • ピリドキシンHCl

    皮脂を抑制する効果のあるビタミンB6の誘導体。ニキビや肌荒れの防止、皮膚炎の予防などの目的で配合されることもあります。

  • ローズマリー葉エキス

    皮脂を抑制する効果のほかに消炎効果や殺菌効果があります。エイジングケアや肌荒れ用の化粧品など幅広く配合されている成分です。

  • ビタミンC・ビタミンC誘導体

    ビタミンCが肌に与える効果は多くありますが、皮脂抑制もその一つ。そのままでは酸化しやすく不安定というデメリットがありますが、ビタミンCの安定性を高めたものがビタミンC誘導体になります。

  • セラミド

    上記のような直接皮脂を抑える成分ではありませんが、皮膚の潤いとバリア機能に欠かせない成分です。バリア機能と潤いが高まれば自然と皮脂過剰も抑えられます。

まとめ

皮脂が過剰に分泌される原因は一つだけではなく、いくつもあります。
肌の状態やホルモンバランスはすぐに整うものではないため、適切なケアを継続して行うことが大切です。

原因として大きなものから改善することが効果的ではありますが、体質や環境など対策が難しい場合もあると思います。
そんな時はこの記事を参考に、ぜひあなたの生活に取り入れやすいものから試してみてくださいね!

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