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ふとした瞬間に感じる肌のくすみ。仕事終わりや、マスクを外したときなど気になることがありますよね。
顔のくすみは見た目年齢を大きく左右する肌悩みの一つです。
肌のくすみには5タイプあります。タイプに合った対策を行わないとくすみの改善は期待できません。
くすみタイプごとの原因と「じゃあどうしたらいいの?」という対策について白クマ博士とネコ助手が丁寧に解説するのでぜひ参考にして下さい。
肌色は、次の3つで決まります。
これらの状態が肌色を暗くする方向に傾いたときに肌のくすみを感じるのです。
肌のくすみを感じるのは次のような状態の時です。
・色味(赤み、黄み、黒み)のバランスが暗い方向に傾いた場合
・ツヤや透明感が低下した状態
・表面の凹凸が粗くなっている状態
「色味のバランス」については、赤みが減少し、黄みや黒みが増加することによって肌色が暗く感じられ、くすみとして実感されます。
「透明感」については、皮膚の一番表面にある角層の状態が悪化し、透明感が低下することで肌がくすんで見えます。
「表面の凹凸」については、皮膚表面がガサガサと乱れた状態だと光が乱反射されます。その結果、肌色が暗く感じられくすんだ印象になります。
「色味のバランス」「透明感」「表面の凹凸」は、ずっと同じわけではなく血行やターンオーバーの周期、水分量などによって、絶えず変動しています。そのため、同じ人でもくすみの原因はその時々によって異なります。
例えば、数ヶ月前のくすみは色味のバランスが悪かったのが原因だけど、今のくすみは透明感が低下したことが原因、という具合です。
くすみに適切に対処するためには、「今、自分がどのくすみタイプなのか?」を見極めることが重要です。
肌色は「色味のバランス」「透明感」「表面の凹凸」によって決まると解説しました。
ただ、例えば「色味のバランス」について、「いったい何が色味のバランスを悪くしているの?」と疑問を感じますよね。
そこで、肌がくすむ「具体的な原因」でタイプ分けしたのが次の5つです。
タイプ①血行不良
タイプ②メラニンの蓄積
タイプ③糖化
タイプ④角層が厚い
タイプ⑤乾燥
タイプ⑤乾燥
タイプ⑤乾燥は透明感の低下、表面の凹凸悪化のどちらにも関わります。
それぞれのタイプはどんな状態なのか?何が原因でくすみが発生しているのか?を順番に解説します。今の自分がどれに当てはまるのか考えながら見てみましょう。
血行不良は「色味のバランス悪化」、つまり赤みの低下を引き起こし肌のくすみへとつながります。
血管は皮膚の表面からも透けて見えるので、血行が良ければ赤みが強く感じられます。
一方、血行が悪くなると血管に流れる血液の量が少なくなったり滞ったりして、皮膚から透けて見える血管の赤みが低下します。
赤みが低下すると肌色のバランスが崩れ、黄みや黒みが強く感じられるようになります。黄みや黒みが強いほど、肌はくすんで見えます。
寒いところにしばらくいた後、手を見るとなんだかどす黒い色に感じられることがありますよね。同じ現象が顔でも起きるのです。
血行不良が起こる原因は、疲労や睡眠不足、ストレスなどです。
タイプ①「血行不良」の見分け方は次の通りです。多く当てはまる場合は血行不良が肌のくすみの原因になっている可能性があります。
特に目の周りは皮膚が薄く血管が透けて見えやすい部位で、血行不良によって青黒くなりがちです。
血行不良かどうか判断するには、目の周りに注目するとわかりやすいです。
「色味のバランス悪化」のもう一つの要因はメラニンの蓄積です。
メラニンはよく知られている通り、肌を黒くする色素です。主に紫外線を浴びることで大量に生成され、皮膚に蓄積します。
メラニンは赤茶色~黒色をしているので、メラニンが皮膚に蓄積すると肌色が暗く見え、くすんだ印象になるのです。
メラニンの蓄積が起こる主な原因は紫外線です。
紫外線によってメラニン生成が活発になり、多くのメラニンが皮膚に蓄積してしまいます。
タイプ②「メラニンの蓄積」の見分け方は次の通りです。
屋外での活動はもちろん、日の当たる室内にも紫外線は降り注いでいます。屋外、屋内関わらず、最近日光を浴びた記憶がある人はメラニンが蓄積して肌のくすみが発生しているかもしれません。
糖化も「色味のバランス悪化」の原因になります。
糖化とは、タンパク質や脂質が糖と結びつき、「AGEs(最終糖化生成物)」という黄色~茶色の物質に変化させてしまう反応のことです。
要するに、食事でとった糖が体の組織を茶色くしてしまうのです。
糖化が起こる原因は、糖の過剰摂取や、血糖値を急上昇させる食事です。
余分な糖が体のタンパク質や脂質と結びつきAGEsを作り出します。糖化が起こっていたとしても、痛みやかゆみなどの感覚は無いため、知らないうちにAGEsが蓄積してしまうのが怖いところです。
タイプ③「糖化」の見分け方は次の通りです。
糖化は普段の食生活が大きく影響します。糖質の多い食事ばかり選んでいる人は、顔のくすみの原因として糖化が疑われます。
角層が厚くなると「透明感の低下」が起こり、肌のくすみにつながります。
角層は皮膚の表面にある半透明な膜です。角層は皮膚の奥にある真皮という組織で常に新しい細胞が作られており、この新しい細胞が奥から表面に向かって押し上げるように成長していきます。
通常は、ターンオーバーと呼ばれる生まれ変わりのサイクルによって古くなった細胞は垢となって剥がれ落ちるのですが、何らかの理由でターンオーバーが乱れると古くなった細胞の排出がうまくいかず、角層が分厚くなることがあるのです。
角層が厚くなると、皮膚の上に半透明の膜がたくさん折り重なることになるためだんだん透明感が低下していきます。
肌表面に濁った膜が張ったような状態になり、顔がくすむのです。
角層が厚くなる原因は、不規則な生活やスキンケア不足です。また、年齢を重ねるに従ってターンオーバーの周期は遅くなりがちなので角層が厚くなりやすいです。
タイプ④「角層が厚い」の見分け方は次の通りです。
お風呂に入って肌をこすると黒っぽい垢が取れることがありますよね。角層が厚くなっている人は、あの垢が顔全体に堆積しているイメージです。
乾燥は肌色を決める3つの要因のうち「透明感の低下」と「表面の凹凸」の2つに影響します。
肌が乾燥している時は、角層の水分量が低下した状態です。角層は本来、半透明なのですが、水分量が低下すると白っぽく濁ってしまいます。
ティッシュペーパーなどの薄い紙がイメージしやすいです。 濡れた状態だと向こう側が透けて見えますが、乾いた状態だと白っぽく見えますよね。
角層もティッシュペパーと同じ薄い膜です。乾燥した状態だと白く濁って透明感が低下し肌のくすみを引き起こします。
さらに乾燥は表面の凹凸にも影響を与えます。
肌が乾燥すると、キメが乱れて肌表面の凹凸が粗くなります。さらに進行すると、角層が部分的に剥がれたりひび割れたりして、毛羽立ったような状態になります。
このように表面の凹凸が粗くなると、光が乱反射されて透明感が低下し肌のくすみを引き起こします。
乾燥の原因は、保湿不足、生活習慣の乱れなどです。肌の内側、外側の両方からの原因が考えられます。
タイプ⑤「乾燥」の見分け方は次の通りです。
乾燥は目元や口元などから始まるのでよく観察してみましょう。
では、肌のくすみはどのように改善すればよいのでしょうか?
改善方法はくすみタイプによって異なります。有効な対策をタイプ別に解説します。
血行不良による肌のくすみ改善方法は次の通りです。
血行不良な人は、まず休息が足りているかどうか振り返ってみましょう。
働きすぎや活動のしすぎは、交感神経を優位にさせ、血管を収縮させます。血管が収縮すると肌の赤みが低下します。
「最近忙しくてあんまり休めていなかったな」という人は、十分な休息をとることで交感神経の働きを落ち着かせ、副交感神経が優位な時間を意識して作るようにしてみましょう。
マッサージや湯船に浸かるのも効果的です。マッサージによる物理的な刺激や、湯船に浸かって体が温まることで血行がよくなり、肌のくすみの改善が見込めます。
また、長期的な対策としては運動もおすすめです。
運動は一時的な血行促進だけでなく、筋肉量を増やし血行が良い状態をキープすることにつながります。無理のない範囲で、楽しいと思える運動を見つけて取り組みましょう。
メラニンの蓄積が原因になっている場合のくすみ改善方法は次の通りです。
蓄積してしまったメラニンの排出を促す鍵はターンオーバーです。
良質な睡眠、バランスの取れた食事をとり、ターンオーバーの周期を整えましょう。
美白化粧品にはメラニンの生成を抑える働きがあります。
「うっかり紫外線を浴びてしまった!」という時は、メラニンが蓄積されるまでの数日間で美白化粧品を使い、メラニンの生成を抑えて顔のくすみを予防しましょう。
また、肌のくすみ予防策として紫外線防御は欠かせません。外出する時は、雨の日も、冬場も必ず日焼け止めを塗って、直射日光が当たる場合は日傘や衣類でガードしましょう。
糖化が原因になっている場合のくすみ改善方法は次の通りです。
食物繊維を多く含む野菜を最初に食べることで、その後に食べる炭水化物による血糖値の急上昇を抑えてくれます。
また、甘い物は少ない量でも多くの糖質を含み、糖化を引き起こしやすいです。一度にたくさん食べることは避け、できれば洋菓子よりも和菓子を選ぶようにすれば糖化リスクを抑えられます。
「低GIの食材」とは、食べたときに血糖値が上がるスピードが遅く、糖化が起こりづらい食材のことです。
低GI食材の例としては、大豆、そば、さつまいもなどが挙げられます。普段の食事の一部を低GI食材に置き換えるなど、上手に取り入れていきましょう。
角層が厚い場合のくすみ改善方法は次の通りです。
角層が厚くなっている場合、古い角層を積極的に取り除くケアがおすすめです。
ピーリングは古くなった角質を成分の力で取り除くスペシャルケアのことです。
AHAと呼ばれる特殊な成分を顔に塗り、一定時間放置したあと洗い流すことで古い角層を除去できます。
美容クリニックで施術してもらうこともできますが、自宅でできるアイテムも発売されています。
スクラブは、粒状の成分が含まれている洗浄アイテムのことです。
物理的に肌を刺激することで古い角層を取り除きます。
酵素洗顔は、酵素の力で普段の洗顔では取り除けない毛穴汚れ、皮脂汚れを落とすアイテムです。汚れに選択的にアプローチできるので、肌のくすみを改善する効果が期待できます。
乾燥が原因になっている場合のくすみ改善方法は次の通りです。
乾燥対策にはまず保湿です。
顔のくすみが気になるときには、普段よりも高保湿な化粧品ラインに切り替え、徹底的に保湿しましょう。
セラミドやヒアルロン酸など、高保湿な成分を含むアイテムが特におすすめです。シートマスクを取り入れるのも良いでしょう。
なお、セラミドは食事やサプリメントなどで摂ることでも肌への保湿効果が確認されています。内側からうるおいを補給するのはとても有効です。
部屋の湿度をコントロールすることも重要です。
特に冬場、暖房の効いた室内は非常に乾燥しています。加湿器を活用して、肌の適正湿度とされる65~75%程度に保ちましょう。
肌がくすみやすい人には特徴があります。
次の特徴に当てはまる場合には、肌がくすみやすいので要注意です。
寝る時間、起きる時間、食事を摂る時間が日によってバラバラな人は肌がくすみやすい傾向にあります。
寝る、食べる、は、自律神経を大きく左右します。
これらの時間が乱れると、交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、血行不良やターンオーバーの乱れを引き起こし、結果として肌のくすみにつながってしまうのです。
「ちょっと出かけるだけだからいいや」「今日は日差しが強くないから大丈夫」。そう思って、紫外線対策をしない人は肌がくすみやすいです。
紫外線の量は天気や季節によって変動しますが、基本的には年中降り注いでいます。
冬場でもピーク時の約50%程度は紫外線量があるので、紫外線対策は夏だけでなく年間を通して行う必要があります。
紫外線を長期間浴びることによって、一時的な日焼けによる肌のくすみを引き起こすだけでなく、長期的な色素沈着にもつながるので注意が必要です。
甘い物が好きな人や、食べる量が多い人は、糖化による肌のくすみに注意です。
先程から解説している通り、血糖値を急激に上げる食べ物は糖化を引き起こします。
甘い物には、見た目以上に大量の砂糖が含まれます。砂糖の中でも、お菓子に使われるのは特に血糖値を急上昇させる精白糖です。チョコ、クッキー、スナック菓子などを頻繁に食べる人は要注意です。
食べる量が多い場合も同様に、大量の糖質によって血糖値が非常に高い状態になります。食べ放題によく行く人や、ついたくさん食べてしまうという人は糖化による肌のくすみが起きやすいです。
「肌へのダメージが気になるから、洗顔はささっと短時間で済ませている」という人も顔のくすみが出やすいです。
洗顔は、古い皮膚を代謝させるのに重要です。実感はないかもしれませんが、洗顔時に古い皮膚が少しずつ剥がれています。
洗顔を手短に済ませていると、古い皮膚が蓄積しやすく、肌のくすみにつながります。
敏感肌の人で肌へのダメージが気になる、という人は、マイルドな洗顔料を選んでしっかり泡だてて洗うことで、刺激と代謝のバランスが取れます。
保湿はスキンケアにおいて非常に重要です。
保湿を意識せず、お風呂上がりにスキンケアをしない、乾燥した部屋でも加湿器を使わずに長時間過ごすなどしていると、肌は簡単に乾燥してしまいます。
乾燥した肌は角層の水分量が低下することにより白っぽく濁り透明感がなくなります。
また、ひどくなってくると角層の一部に亀裂が入ったり、まだ未熟な下の層が剥がれてきたりします。すると、表面の凹凸ができて光が乱反射され、肌のくすみにつながります。
常に保湿を意識してスキンケアすることが重要です。
顔のくすみが気になる人に向けて改善方法を解説しましたが、注意点があります。
対策のやりすぎで肌荒れなど他のトラブルを起こさないようにしっかりチェックしておきましょう。
血行不良が原因で起きる肌のくすみ改善策として、マッサージによる血行促進を紹介しました。
顔をマッサージすることにより表情筋が動かされてリンパや血行が促進され、顔のくすみ解消が期待できます。
しかし、マッサージはやりすぎに注意です。特に顔は、体の他の部位に比べて皮膚が薄くデリケートです。
マッサージ器具を過剰に押し当てたり、手であっても長時間マッサージしたり強くこすったりするのはNGです。
ひどい場合には摩擦によって色素沈着が発生する原因にもなります。
マッサージは優しく、刺激にならないように行いましょう。
ピーリングは古くなった皮膚の除去に非常に効果的です。それだけに、頻繁なピーリングは危険です。
まだ未熟な皮膚が成分の力で引き剥がされることになってしまい、バリア機能の低下、肌荒れを引き起こす原因になります。
ピーリングは多くても週1回程度にとどめましょう。
ピーリング後に顔のくすみが解消しない場合は、古い角層が原因ではない可能性が高いです。もう一度、くすみタイプを確認して自分の状態を見極めましょう。
最後に一つ注意なのが「保湿のためにマスクを付ける」は間違いということです。
マスクをつけると、呼気によってマスク内がうるおい、肌が保湿される気がしますが、あれは過剰な湿度によって肌が蒸れている状態です。
蒸れた状態はバリア機能の働きが不十分なので、肌にとっては良くない状態です。
マスクを外すと湿度は急低下し、今度は逆に乾燥してくすみの原因になります。
公共の場でマスクを外すのは難しいですが、密にならない屋外などではなるべく外す方が肌にとっては良いのです。
今回は、肌のくすみの原因と対策について解説しました。
肌のくすみは5タイプに分類され、同じ人でも時と場合によって原因が違います。対策として重要なのは、保湿、紫外線対策、規則正しい生活です。
古い皮膚が原因の場合はピーリングなど積極的に皮膚を代謝させるケアもおすすめです。
肌のくすみを感じている人も、今回紹介した対策を行うことで、明るく透明感のある素肌を目指せます。ぜひ自信の持てる肌を手に入れましょう!