0
ホームスキンケアの知識一覧 > 肌の黄ぐすみとは?黄ぐすみの原因は糖化だった!
KNOWLEDGE OF SKIN CARE
VOL.
38
  • #エイジングケア
  • #肌トラブル
  • #お肌の知識

肌の黄ぐすみとは?黄ぐすみの原因は糖化だった!

年齢を重ねるごとに肌が黃ぐすんでいる気がする…。そんな悩みを抱えていませんか?

その黃ぐすみ、実は「糖化」と呼ばれる皮膚の劣化のせいかもしれません。
「私はイエベだから」と思って放置しているとどんどん老けた印象になってしまいます。

肌をくすませる原因の一つである「糖化」について解説します。なぜ糖化してしまうのか?ケア方法、予防方法は?という疑問に答えていくのでぜひ参考にして下さい。

肌の黄ぐすみとは?【糖化が原因】

困った顔で鏡を見る女性

肌のくすみには5タイプあると言われています。

  • タイプ①血行不良
  • タイプ②メラニンの蓄積
  • タイプ③糖化
  • タイプ④角層が厚い
  • タイプ⑤乾燥

この内、黄ぐすみが発生するのがタイプ③糖化です。

健康な肌に比べて黄ばみが目立ち、実年齢よりも老けた印象に見られやすくなるのが特徴です。
糖化が進行していても、痛い、かゆいなどの感覚的な症状は無いため、知らないうちに進行していることが多いです。

糖化は肌色を黃ぐすませるだけでなく、肌のたるみも引き起こすエイジングの敵です。
糖化とは何なのか、何が原因なのかについて正しく知ってケアを行うことが重要です。

肌の黄ぐすみを起こす「糖化」って?実はたるみにもつながる!

糖化とは「体の中のタンパク質や脂質」と、「食べ物から摂取した糖」が結びついて茶色く変色してしまう反応のことです。

糖化反応は別名「メイラード反応」と呼ばれ、最終糖化生成物「AGEs」と言う茶色くて硬い物質を作り出します。
実は、糖化反応は私達がよく知る場面でも起こっています。

その一つが料理中の「焦げつき」
例えばパンケーキを作る時、生地は最初ほんのりクリーム色をしていますが、フライパンで焼くとだんだんきつね色に変化して、そのまま放置すると茶黒くなって焦げついてしまいますよね。

これは、パンケーキに含まれるタンパク質や脂質と糖が反応してAGEsが生成される糖化反応なのです。
体の中でも同じことが起こります。

体内の反応ではそこまで熱が加わらないので、糖化反応はゆっくりと進行します。数ヶ月、数年をかけてAGEsが蓄積し、だんだんと肌が黃黒くくすんでしまいます。

さらに、糖化は肌を黃ぐすませるだけでなく、肌のたるみも引き起こします。

肌の奥には真皮という層があり、コラーゲン繊維やエラスチン線維という繊維状の組織によるネットワークが張り巡らされています。
このネットワークは柔軟で弾力があり、重力に逆らって肌のハリを保つ役割を果たしています。

コラーゲン繊維やエラスチン線維は、糖化によって劣化することが知られています。糖化することで硬くなった繊維は、柔軟性や弾力を失い、皮膚が重力に負けてたるむ原因になります。

肌を劣化させる原因である糖化は、まだあまり認知されていないこともあり、自分のくすみ原因が糖化だったと気づかない人も多くいます。
次のチェックリストを使って、糖化している可能性がないか確認しましょう。

糖化による黄ぐすみか判断するチェックリスト

次の項目に当てはまる人は糖化による肌の黃ぐすみが起きているかもしれません。

  • 顔全体が茶色っぽく黃ぐすんでいる
  • 実年齢よりも高齢に見られることが多い
  • 昔に比べて黄み寄りのファンデーションの方が合うようになってきた
  • 食事の量が多い
  • 甘い物をよく食べる
  • ラーメン、うどんなど炭水化物メインのメニューを選びがち
  • 甘いジュースをよく飲む

糖化した肌は、本来の肌色から黄みや黒みが強い方向に変化します。そのため、糖化している人としていない人とでは、見た目年齢に大きな差が出ます。

注意するべきなのが、肌が黄色っぽく見える原因を「イエベだから」と勘違いすることです。
生まれつきの肌色であれば、その人にとっての自然な肌色なので全く問題ないのですが、昔よりも黃ぐすんできた、という場合は糖化による肌色の変色が疑われます。

例えば昔は標準色のファンデーションを使っていたのに、最近は黄み寄りのほうが肌に馴染むようになってきたという人は糖化による黃ぐすみが発生している可能性がありま す。

また、糖化を悪化させる生活習慣を送っている人はリスクが高いです。
食事の量が多い、甘い物をよく食べる人は要注意です。特に、糖を含む液体は固形物に比べて吸収されやすく、急激に血糖値を上げます。一見、健康的に見える野菜ジュースにも多くの糖が含まれます。

肌の黄ぐすみ対策!糖化した肌はこうしてケアする

残念ながら、いったん糖化してしまった組織はもとに戻すことができません。
特効薬のような「これを飲んだら糖化が良くなる」という便利なものはないのです。

そこで、糖化してしまった肌のケアとしては、皮膚のターンオーバーのサイクルを整えて自然に代謝・排出されるのを待つのが正解です。

糖化した肌のターンオーバーを整えて黃くすみをケアする方法4つを紹介します。

保湿

皮膚のターンオーバーを整えるために、まずはしっかり保湿ができているかを確認しましょう。
保湿は、皮膚に十分な水分を与え、新しい皮膚の生まれ変わりを行うためにとても重要です。

逆に、乾燥した肌では角層が厚くなり、くすみをさらに目立たせる原因になります。
肌を保湿するポイントは次の通りです。

  • お風呂上がりはすぐに化粧水・乳液をつける
  • できればスキンケアの最後にクリームを取り入れる
  • シートマスクを取り入れる
  • 暖房を入れる時は加湿器も一緒に使う

お風呂上がりは肌が一番乾燥しやすいタイミングです。タオルで水分を拭き取ったらすぐに化粧水や乳液をつけて保湿しましょう。
スペシャルケアアイテムとして、クリームやシートマスクを取り入れるのもおすすめです。

また、日中の乾燥を防ぐために、周辺環境を整えることも重要です。特に暖房を入れるときは、加湿器も一緒に使うなどして一定の湿度を保ちましょう。

バランスの取れた食事

バランスの取れた食事は皮膚のターンオーバーを促すために欠かせません。糖化による肌の黃ぐすみ対策としては、次の栄養素を積極的に取るのがおすすめです。

栄養素 効果 含まれる主な食品

ビタミンB2、B6

エネルギーを生み出す
皮膚や粘膜を正常に保つ

レバー、卵、海藻類、きのこ類、納豆

ビタミンA

抗酸化作用
皮膚や粘膜を正常に保つ

緑黄色野菜(にんじん、ほうれん草など)、レバー

ビタミンC

抗酸化作用
コラーゲン生成のサポート

レモン、じゃがいも、ブロッコリー、いちご、キウイ

タンパク質

皮膚を作る材料

肉、魚、卵、乳製品、豆類

ビタミン類は互いに影響し合うことで効果を発揮するので、どれか1つが欠けると他のビタミンの働きも不十分となってしまいます。バランス良く摂取することを心がけましょう。

タンパク質は皮膚の材料になります。糖化した皮膚の代謝を促すためには、タンパク質を積極的に取り入れましょう。

タンパク質は、皮膚だけでなく筋肉、内蔵など他の組織にも使われるため不足しがちです。特に意識して摂取するようにしましょう。

十分な休養と睡眠

睡眠する女性

皮膚のターンオーバーを整えるにあたり、休養と睡眠も欠かせません。

十分に睡眠が取れていない状態だと、自律神経が乱れます。すると、交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、交感神経が活発になることがあります。交感神経が活発になると血管が収縮し、血行が悪くなってしまいます。

皮膚に通う血管の流れが悪くなることで、皮膚を新しく作るためのエネルギーが足りず、ターンオーバーの周期が乱れがちになります。

6~8時間しっかりと睡眠をとることで、自律神経を整えましょう。まとまった睡眠時間が取りづらい人は、日中に5分~30分程度で良いので心と身体を落ち着かせる習慣を作りましょう。

1人になれる空間でゆっくりと呼吸し、リラックスすることを心がけます。リラックスすることで副交感神経が優位になって血行が促進され、皮膚のターンオーバーを整えることにつながります。

適度な運動

適度な運動は皮膚のターンオーバーを促進します。
運動することで全身の血流が良くなり、皮膚に栄養が行き渡ります。

さらに、運動後の体では、負荷がかかった部位を補修するために普段よりも多くの成長ホルモンが分泌されます。 成長ホルモンは皮膚を新しく作る働きも促進します。

「忙しくて運動の時間がなかなか取れない」という人は自宅や職場で軽くストレッチをする程度でも良いので行いましょう。
深い呼吸を意識しながら、気持ちが良いと思うところまで体を伸ばします。そうすることで、凝り固まっていた筋肉をほぐして血行を促せます。

糖化は予防が最重要!気をつけるべき生活習慣【食事、運動】

ストレッチする女性

糖化してしまった組織をもとに戻す方法は今のところ見つかっていません。そのため、糖化による黄ぐすみやたるみの対策としては予防が最も重要です。

糖化を予防するための食事、運動のポイントを紹介するので、ぜひ意識して取り組みましょう。

食事編①野菜、タンパク質、炭水化物の順で食べる

糖化の原因は血糖値の急上昇です。血糖値の急上昇を抑えるためには野菜、タンパク質、炭水化物の順で食べるのが有効です。

特に、最初に食べる野菜が重要です。野菜は糖質が少なく、食物繊維が豊富に含まれます。
食物繊維には、糖質の吸収を遅らせ血糖値の急上昇を抑える効果があります。

最初に野菜を食べることで、後に食べる炭水化物に含まれる糖質の吸収を緩やかにできるので、食事の際は「野菜、タンパク質、炭水化物」の順番を意識しましょう。

ただ、例えば「きゅうりのスライス3枚だけを食べたらOK!」ではありません。
食物繊維を多く含む葉物野菜や海草類などを積極的に選び、ある程度の量を食べてから次に移りましょう。
野菜から炭水化物に至る間に時間を長くとることも重要です。

食事編②食物繊維を意識して摂る

食物繊維を多く摂ることで、糖質の吸収を抑えて血糖値の上昇を効果的に防ぐことが期待できます。
特に葉物の野菜がおすすめです。キャベツ、レタス、小松菜、ねぎなどが代表例です。

なお、じゃがいも、さつまいも、れんこん、にんじんなどの根菜には食物繊維も含まれますが、糖質も多く含まれるので注意が必要です。

野菜は生のままだと、かさが多く食べづらいので、煮る、蒸すなどしてかさを減らし、十分な量を摂取するのがおすすめです。

食事編③「低GI」の食品を積極的に取り入れる

「GI」とはグリセミック・インデックスの略称で、血糖値の上昇率を表す指標です。

「低GI」食品は血糖値が上がりづらく、「高GI」食品は血糖値が上がりやすいことを意味します。
糖化を防ぐためには低GIの食品を選びましょう。

低GI食品の例は次の通りです。

  • 玄米
  • そば
  • 全粒粉
  • 大豆
  • さつまいも
  • 野菜類
  • きのこ類
  • 海藻類
  • ヨーグルト

糖質が少なく、食物繊維が豊富な野菜やきのこはGI値が低いです。肌の糖化を防ぐためにはこれらの食品がおすすめです。
とはいえ、低GIの食品だけでは栄養バランスを保つのは難しいです。

重要なのは、野菜、タンパク質、炭水化物のバランスは保ちつつ、なるべく低GIの食品に置き換えること。
例えば白米より玄米を、うどんよりもそばを選ぶというイメージです。

食事のすべてを低GI食品に置き換えるのではなく、同じジャンルならなるべく低GIの食品を選ぶという考え方が良いでしょう。

食事編④甘い物はほどほどに

甘い物は、少ない量でも多くの糖質が含まれます。
特に、一般的なお菓子には精製された糖である「精白糖」が使われています。精白糖は消化・吸収されやすく、血糖値を急上昇させるため、糖化を起こしやすい性質があります。

肌の糖化を予防するためには、甘い物はなるべく控えることをおすすめします。
もしどうしても食べたい場合は、次のポイントに注目しましょう。

  • 食物繊維と一緒に食べる
  • 柔らかいものより硬いものを選ぶ

食物繊維が豊富なお菓子は、精白糖による血糖値の急上昇を抑えてくれます。
また、一般的に柔らかくて噛まなくても良いものはGI値が高く、硬くてよく噛んで食べる必要があるものはGI値が低い傾向があります。

これらのポイントを満たすお菓子としては、全粒粉入りのクッキーや、大豆粉でできた焼き菓子などが挙げられます。わかりやすく「低GI」と表示されているお菓子もあるので、選ぶ時の参考にしましょう。

食事編⑤AGEsを含む食べ物を避ける

食品の中には、もともとAGEsを含むものがあります。

AGEsは基本的に「焦げ」の部分に含まれるので、こんがりと焼かれ、きつね色や茶色になっている食品は要注意です。

例えば次のような食品はAGEsを多く含みます。

  • 唐揚げ
  • とんかつ
  • フランクフルト
  • ベーコン
  • 焼き鳥
  • フライドポテト
  • ポテトチップス

揚げる、焼く、という調理方法で作られた食品はAGEsを多く含む傾向があります。特に高温の油でカリカリに焦げた食品は最も注意が必要です。

血糖値に気をつけていても、AGEsを食品で摂ってしまうと体の中に蓄積して肌が黃ぐすむ原因になります。
調理法は、煮る、蒸す、非加熱などを選択するようにしましょう。

食事編⑥「糖質を全く摂らない」はNG

糖化を防ぐ食事方法を紹介してきましたが、糖質を全く摂らないという考え方はNGです。

「糖化を防ぎたいから糖質は摂らないようにしよう」と、白米やパンなどの主食を完全にカットしようとする人がいますが、危険な考え方です。

糖質は、人間の体を維持し、動かすために必要なエネルギー源です。
糖質が不足すると、脳や皮膚、臓器に十分な栄養が行き渡らず体中の組織に悪影響が出ます。皮膚を新しく作るにも糖質によるエネルギーが必要です。

ファスティングなどで糖質が1日不足する程度であれば心配ありませんが、それ以上続くと健康を害するリスクがあります。
美しい肌は、健康な体があってこそです。

糖質は正しく摂取すれば美肌を作るもとになってくれるので、適量を摂取し、食べる順番に気をつけるなど上手に付き合うことが重要です。

運動編①食後は積極的に体を動かす

血糖値が上がるのは食後のタイミングです。
食後15分後くらいから急激に血糖値が上がり、1時間でピークを迎えます。

食後におとなしくしているよりも、運動したほうが血糖値が上昇しづらいことがわかっています。

軽いウォーキングや、階段の上り下りなど、取り入れやすい運動を行いましょう。
仕事でなかなか運動ができないという場合は、食後15分だけでも良いので、席を立って少し出歩く、軽くスクワットするなどできる範囲で取り組むことをおすすめします。

運動編②無酸素運動で筋力UP

無酸素運動とは、筋力トレーニングのことです。
マラソンなどの有酸素運動に対して、瞬発的に力を込めることで筋肉に負荷をかけるやや激しめの運動です。

負荷がかかり一度壊れた筋肉は、その後の栄養補給や休息を経て、より太く、強く修復されます。無酸素運動をすることで筋肉量が増加し、より丈夫な筋肉へ成長します。

筋肉量が多い人は血糖値の上がり方が緩やかになることが知られています。
また、筋肉には糖質を貯蔵する役割もあります。筋肉量が増えることで貯蔵量が増え、食事からとった糖質が余分に血液中に流れることを抑えてくれる効果もあります。

長期的に糖化リスクを抑える体を作ることにもなるので、無酸素運動は積極的に行いましょう。

運動編③運動習慣を継続する

運動習慣は数日続けただけではそれほどの効果は期待できません。無酸素運動で筋力がアップしたとしても、継続しなければ徐々に衰えてしまいます。

糖化リスクを抑えるためには、運動習慣を継続することが重要です。

きついトレーニングを3日だけやってイヤになってしまうよりも、軽めの筋トレを毎日10分続けるほうが長期的な効果が期待できます。

通勤や通学時になるべく歩くようにする、自宅で簡単にできる筋トレを見つけて10分だけ行うなど、自分の生活スタイルに合った方法を見つけていきましょう。

まとめ

今回は肌の黃ぐすみを引き起こす糖化の原因と対策について解説しました。

糖化は食事から摂った糖質が、体のタンパク質や脂質と結びつき、体の組織を茶色く、硬く変色させてしまう反応で、肌の黃ぐすみやたるみの原因になります。

糖化の対策としては、皮膚のターンオーバーを整えて糖化した組織の排出を促すケアが有効です。
また、糖化は予防が最重要です。血糖値の急上昇に気をつけた生活習慣を送りましょう。

糖化は知らない間に老化を促進させる怖い反応ですが、日頃の生活習慣で予防できます。 今回の対策を参考にして、黃くすみやたるみのない美肌を手に入れましょう♪

LET’S SHARE OR BOOKMARK HERE!