- #お肌の知識
肌のターンオーバーを整えるためには、どんなスキンケアをするとよいのでしょう?
ターンオーバーが正常な状態は、健康的な肌を保つためには重要ですが、今もし乱れた状態だとしても、少しの意識で変えられるのです。
そんな肌のターンオーバーを整えるスキンケアや、乱れる原因など、ターンオーバーにまつわる疑問を丁寧に解説します。
肌のターンオーバーを整えるために必要なスキンケアとは、古くなった角質細胞が自然に剥がれ落ち、新しい細胞が生成される環境を作ることです。
具体的には、クレンジングや洗顔などの落とすケアを丁寧に行い、保湿で肌に必要な水分と油分のバランスを整えます。
また、加齢や紫外線などによって、ターンオーバーが乱れている場合は、ターンオーバーを促す美容成分をスキンケアに取り入れる方法もあります。
肌のターンオーバーをあえて起こすのではなく、自然に肌が生まれ変わるような無理のないサイクルを、日々のスキンケアで作ることが理想です。
ターンオーバーを整えるスキンケアは意外にシンプルなので、まずは基本を大事に、日々のスキンケアを丁寧におこないましょう。
肌の表面である表皮の細胞が、一定の周期で生まれ変わるプロセスのことを、ターンオーバーといいます。
皮膚は表面だけをみると1枚に見えますが、大きく分けると下から「皮下組織」「真皮」「表皮」に、ミルフィーユのように重なり合ってできています。
また、表皮はさらに下から「基底層(きていそう)」「有棘層(ゆうきょくそう)」「顆粒層(かりゅうそう)」「角質層(かくしつそう)」に分けられます。
ターンオーバーは、表皮の1番下にある基底層で新しい細胞ができ、表面にある角質層まで押し出されることで、皮膚の表面が自然に剥がれ落ちる仕組みです。
この一連の流れがターンオーバーで、健康的な肌では4週間~6週間前後※の周期で自然におこなわれていますが、加齢にともなって周期が長くなるといわれています。
ターンオーバーが正常な肌は、肌トラブルがなく、肌の調子がよい状態です。
肌は、ターンオーバーが正常におこなわれていることで、バリア機能がはたらく仕組みとなっています。
そのため、肌のターンオーバーが正常におこなわれていれば、みずみずしく潤った健康的な美肌の状態をキープできるはずです。
一時的な肌荒れや、刺激による肌状態の乱れが起こっても、肌のターンオーバーによって肌状態は改善します。
シミやそばかす、色素沈着は、肌のターンオーバーが遅れることや、スムーズでないことで発生する場合があります。
ターンオーバーが正常におこなわれていると、紫外線をあびてメラニンが大量に生成されても、色素沈着が発生する前に垢となって剥がれ落ちるのです。
そのため、正常なターンオーバーは、シミや色素のないクリアな肌へと導いてくれるといえます。
肌細胞は、ターンオーバーによって定期的に新しく生まれ変わるため、正常なターンオーバーのサイクルでは、シワに進行しにくいのです。
また、ターンオーバーによって、肌に柔軟性や水分がある場合は、深いシワが刻まれにくい状態といえるでしょう。
肌表面の古い角質は、ターンオーバーによって剥がれ落ちるので、正常なターンオーバーによってくすみのない透明感のある肌になります。
ターンオーバーが正常におこなわれることで、整った角層になり、肌表面で光が透過します。
これはすりガラスと同じ原理で、肌表面の角層が整うことで、明るく透明感のある肌にみえるのです。
肌に紫外線が当たることで、ダメージを回復させようとするため、ターンオーバーが早まる場合があります。
また、紫外線が肌に当たり、肌が乾燥したり炎症したりすることで、肌の水分不足によってターンオーバーが遅れることもあります。
紫外線は、肌にとって強い刺激になるので、ターンオーバーが乱れるだけでなく、色素沈着を起こす可能性も高まるでしょう。
肌が乾燥することで、肌の内部を守ろうとする力により、ターンオーバーが速まる場合があります。
ターンオーバーが速まり、急いで作られた未熟な角質細胞は、うるおいを保つ保水機能が十分であるとはいえません。
角層細胞は、ターンオーバーの工程で一緒に作られるNMF(ナチュラル・モイスチュアライジング・ファクター)という天然保湿因子を保有しています。
ターンオーバーのスピードが速い状態では、このNMFを充分に作る時間もないため、乾燥した角層細胞ができあがってしまうのです。
また、剥がれ落ちる機能も低下しているため、一定期間が過ぎても剥がれずそのまま積み重なり、皮膚表面に凹凸ができてしまいます。
その結果、保湿を丁寧にしても保水ができないという状況になり、肌がますます乾燥して悪循環が生まれるのです。
ターンオーバーが乱れる原因は、外的刺激だけでなく、食事や睡眠などの生活習慣も関係します。 スキンケアでは解決しない場合は、生活習慣を見直す必要があるので、のちに解説するセルフケアを実践してみてください。
あなたの肌は今どんな状態ですか?
日頃の肌状態も思い出しながら、チェックしてみましょう。
当てはまる項目がひとつでもあれば、肌のターンオーバーが乱れている可能性が高いといえます。
しかし、今ターンオーバーが乱れていたとしても、今後の対策によっては、ターンオーバーを整えることは十分できるのです。
睡眠中に、肌のターンオーバーが活性化するため、良質な睡眠をとることが重要です。
正常な肌のターンオーバーの周期は約4週間~6週間といわれていますが、睡眠不足が続くとそのサイクルが遅くなります。
そのため、古くなった角質は肌の表面に残り、肌荒れしやすい状態になってしまうのです。
また、睡眠時間が長ければよいというわけではなく、睡眠の質も重要です。
質のよい睡眠は、自律神経のバランスを整えたり、成長ホルモンの分泌を促したりもします。
まずは睡眠時間を確保し、寝具などの睡眠環境を見直し、質のよい睡眠を意識しましょう。
食べたもので体は作られるというほど、食事と肌の関係は、切っても切り離せません。
特に、皮膚はたんぱく質でできているため、積極的に摂取したい栄養素のひとつといえます。
また、ビタミンA・B・C・Eは、直接肌のターンオーバーに関与し、美肌に大きな影響を与える栄養素です。
他にもターンオーバーを整えるために必要な栄養素はありますが、さまざまな栄養素をバランスよく摂取することが望ましいといえます。
反対に、脂質や糖分を過剰に摂取すると、肌荒れや肌の糖化を引き起こし、老化のスピードを速めてしまうのです。
おやつでも、栄養を摂取できるようなものをチョイスし、ストレスをためない範囲で食事からもターンオーバーを整えましょう。
頭皮と顔の皮膚はつながっているため、頭皮のターンオーバーが乱れると、肌にも影響があります。
毎日シャンプーをしていれば、汚れは落ちていると思われがちですが、シャンプーだけでは取りきれない毛穴汚れもあります。
そこで、ブラッシングによって頭皮の汚れを浮かせることで、毛穴に詰まった皮脂や汚れが落としやすくなるのです。
健やかな頭皮環境は、ターンオーバーに大きく影響します。頭皮のマッサージ用ブラシもありますので、シャンプー前の頭皮ブラッシングを習慣づけましょう。
湯船に浸かって肌表面の角質を柔らかくすることで、不要な角質が剥がれやすくなり、ターンオーバーがスムーズになります。
また、新陳代謝が活発になるため、自然に肌のターンオーバーが促進されるのです。
さらに、血流がよくなるため、十分な栄養と酸素が体全体をめぐり、顔だけでなく全身の肌がきれいになります。
湯船につかると、自律神経を整える効果や睡眠の質を高める効果もあるため、間接的にもターンオーバーが促されるといえるでしょう。
運動すると、体の新陳代謝が高まるため、ターンオーバーが促されます。
中でも、ウォーキングやランニングなどの有酸素運動がおすすめで、免疫力を高めて血行を促す効果が期待できます。
湯船につかると同様、栄養や酸素が体全体に行き渡りやすくなるため、顔だけでなく全身のターンオーバーが促進されます。
また、運動で体力をつけることで体が疲れにくくなり、肌の酸化も防げるため、健康的な肌を保つことにもつながるでしょう。
ストレスがある状態が長く続くと、自律神経のバランスが乱れ、肌のターンオーバーも乱れる可能性があります。
自律神経のバランスが乱れると、血液の循環が滞り、血行が悪くなります。
その結果、肌に十分な栄養が届きにくくなり、ターンオーバーが乱れて肌の機能も低下することで、肌荒れや肌不調を起こしやすい状態になりかねません。
また、女性は特に、ストレスが増えると男性ホルモンが増えて、肌の皮脂量も増える傾向にあります。
ストレスの発散方法は人によってさまざまですが、運動習慣や食事でもストレスを緩和できるので、生活に取り入れてみましょう。
前述した通り、紫外線や乾燥は肌のターンオーバーに影響を与えるため、徹底した保湿を心がけましょう。
肌に水分をしっかり保水し、保水した水分を保つために油分で蓋をするというシンプルなスキンケアは、肌にとって最低限必要な保湿です。
乾燥を感じる部分には、化粧水を重ね付けしたり、コットンでつけたり、とにかく水分を肌に浸透させましょう。
そして、肌に浸透した水分を逃さず長時間キープできるよう、適度な油分で蓋をすることも重要です。
また、保湿も大切ですが、ターンオーバーを整える効果が期待できる成分を、スキンケアに取り入れることもおすすめします。
美容成分の力を借りることで、より肌状態が安定する場合もあるので、日頃のスキンケアでは物足りないと感じている人はぜひ取り入れてみてください。
セルフケアは、簡単に取り入れられるものもありますが、生活習慣をガラッと変えるのは難しいかもしれません。完璧を目指さず、できることから少しずつ取り入れてみてくださいね。
ターンオーバーが遅れる原因は、加齢などでの、肌の母細胞のエネルギー不足と考えられています。母細胞とは、肌の表皮と真皮に存在し、うるおいやコラーゲンをはじめとする「ハリ成分」をつくる細胞です。
AMPは、衰えた母細胞のエネルギー代謝を高め、正常なサイクルで細胞を生み出すサポートをする成分です。
セラミドは元々皮膚に存在し、肌のうるおいを保つ成分ですが、加齢や紫外線などの外部からの刺激により失われていきます。
セラミドが減少すると、肌のうるおいも同じく減少し、肌のバリア機能も低下してしまいます。肌のバリア機能が低下するということは、ターンオーバーの周期も乱れるので、悪循環が起こってしまうのです。
セラミドで肌の水分を補い、肌のうるおいを保つことで、ターンオーバーの正常化が期待できるといえます。
セラミド同様、皮膚に元々存在し、肌のうるおいをキープする成分であるヒアルロン酸。ヒアルロン酸も、加齢や紫外線などの外的刺激によって減少し、それにともない肌のバリア機能が低下します。
ヒアルロン酸は、肌の表皮に留まってうるおいをキープし、バリア機能の改善とターンオーバーの正常化をサポートします。
セラミドが、肌の細胞のすき間を満たしてうるおいをキープするのに対し、ヒアルロン酸は表皮の角質層をみずみずしく保つ成分です。同じうるおい成分ですが、はたらきが多少異なるので、うるおい不足を感じる人は両方取り入れてみましょう。
他にもビタミンCや美白成分なども、ターンオーバーを整える効果が期待できる成分です。 今使っているスキンケアにも配合されているかもしれないので、確認してみてください。
丁寧にスキンケアしているのに、肌状態が安定しない人は、今使っているアイテムが肌に合っていない可能性があります。
十分に保湿しているつもりでも、肌の水分と油分のバランスが乱れている場合は、ターンオーバーが乱れる可能性があります。
乱れる原因として、乾燥が気になるあまり、油分を与えすぎている場合があります。
油分過多の状態は、毛穴詰まりやニキビを招く可能性があり、自然にターンオーバーが乱れてしまうのです。
理想のバランスは水分と油分が8:2くらいの割合と言われ、水分量は40~50%がよい状態です。
ただし、ベタつくから油分は必要ないということはなく、むしろインナードライを招いてしまう可能性があります。
水分も油分もどちらも肌にとっては必要なので、どんな肌の人でも、乳液やクリームなどの油分もスキンケアに取り入れましょう。
丁寧にスキンケアしていても、そもそも化粧品が肌に合っていなければ逆効果になってしまい、ターンオーバーは乱れてしまいます。
上記のような症状がある場合、化粧品が肌に合っていない可能性が高いでしょう。
肌に合っていない化粧品は、使い続けると肌荒れを引き起こすだけでなく、成分によるアレルギーを発症してしまう可能性もあります。
配合されている成分によっては、刺激を感じることで肌に効果をもたらす成分もありますが、一般的に刺激は肌に合っていない証拠です。
ターンオーバーが乱れるだけでなく、肌にとってはマイナスなことしかないため、使用を中止しましょう。
クレンジングや洗顔などで肌をこすってしまう癖がある人は、想像以上に肌に刺激を与えていて、刺激によってターンオーバーを乱しているかもしれません。
肌表面にある角質層の厚みは、平均で約0.02㎜といわれているため、軽い摩擦でも簡単に剥がれてしまうのです。
この薄い角質層によって、肌のバリア機能や保湿機能が保たれているため、繊細なスキンケアが必要といえます。
肌に刺激を受けると、ターンオーバーが速まる傾向にあるため、摩擦は避けたいところです。
肌は「桃のように扱いましょう」とよくいわれていますが、それくらい丁寧に肌に触れても大袈裟ではありません。
敏感肌の人は角質層が人よりもさらに薄いといわれているので、よりデリケートに扱い、肌に摩擦を与えないようにしましょう。
ターンオーバーが整っている人は、シミやシワも少なく透明感のある明るい肌をしているので、年齢よりも若く見える傾向にあります。
ターンオーバーを整えるスキンケアやセルフケアは、すぐに効果が出るわけではありませんが、確実に肌は変化するでしょう。
日常の選択を少し変えることで実践できるケアなので、取り入れやすい方法からためしてみてください。
誰でも、肌がきれいなことで、年齢よりも若くみられるのは嬉しいですよね。
最後に、ターンオーバーを整えるおすすめのスキンケアやアイテムを紹介するので、気になったアイテムも取り入れてみてくださいね。